日本地球惑星科学連合2025年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-OS 海洋科学・海洋環境

[A-OS21] 沿岸域の海洋循環と物質循環

2025年5月26日(月) 13:45 〜 15:15 展示場特設会場 (2) (幕張メッセ国際展示場 7・8ホール)

コンビーナ:永井 平(水産研究教育機構)、中島 壽視(東京大学大気海洋研究所)、日髙 弥子(鹿児島大学)、牛島 悠介(愛媛大学)、座長:永井 平(水産研究教育機構)、牛島 悠介(愛媛大学)

14:00 〜 14:15

[AOS21-02] 過去40年間におけるオホーツク海南部の水温・塩分の長期変動

*本田 茉莉子1大島 慶一郎2Mensah Vigan2、佐藤 政俊3 (1.北海道大学大学院環境科学院、2.北海道大学低温科学研究所、3.北海道立総合研究機構稚内水産試験場)


キーワード:宗谷暖流、オホーツク海、経年変動、地球温暖化

宗谷暖流は日本海を起源とし、宗谷海峡からオホーツク海へ流入する。高温・高塩の宗谷暖流水は、オホーツク海に熱と塩を供給する。これまでに、水温・塩分の気候値が示されてきたが、それらの年々変動・長期変動を議論した研究はまだない。本研究ではまず、現在までに蓄積された海洋観測データと、新しいマッピング手法を用いて、水温と塩分の最新の気候値を作成した。次に、作成した気候値との偏差をとることで、年々変動と長期変動を調査した。
 宗谷暖流域を海底の深さが120 mより浅い沿岸域と定義して水温偏差と塩分偏差の時系列データを作成したところ、宗谷暖流域の水温・塩分・流量は正の相関があった。長期変動としては、宗谷暖流域の水深30 mにおいて、1980-2023年の44年間で水温が1.5℃上昇するという顕著な昇温傾向が見られた。この水深30 mにおける昇温傾向は表層の昇温傾向よりも強く、オホーツク海のローカルな大気による影響よりも日本海から流入してくる起源水の変化によることを示唆する。実際に、宗谷暖流域の水温と、日本海沿岸域の表面水温には相関があった。宗谷暖流域の特徴とは別に、より沖合の表層における秋季の塩分が長期的に低下していることが示された。この沖合の低塩化傾向は、オホーツク海北部のアムール川の変化や、サハリン沖を南下する海流の変化を反映している可能性がある。