17:15 〜 19:15
[AOS21-P05] 南海トラフ地震に伴う津波到達時に予想される福山港泊地における最高潮位分布
キーワード:福山港泊地、津波、潮位分布
瀬戸内海沿岸部の福山市では,南海トラフ地震発生時に最大4m高の津波到来が予測されている。福山港泊地では,その細長い水路状の地形効果によって津波波形が増幅される。満潮時に津波が到達したとき,泊地最奥部の最高潮位は約4.8mと見積もられ,標高約5.5mの護岸堤防を越えることがない。しかし,気象条件によってはさらなる潮位上昇が予想される。本研究では,大型低気圧通過時に生じる吸い上げ効果や吹き寄せ効果,副振動等による潮位上昇量を考慮して,南海トラフ地震発生時の津波伝播によって生じる福山港泊地内の最高潮位分布を推定した。
福山港泊地は瀬戸内海に面した距離約8.5kmの折れ曲がりのある細長い水路であり,その幅は950mから150mへと内陸部ほど狭くなっている。向井(2024)は,海上保安庁の津波シミュレーションによる福山港沖合の津波波形を用いて、津波が福山港泊地に侵入した際の潮位変化を計算した。津波伝播による海面上昇は地震発生の約6時間後に最大となり,その上昇量は約2.6mに達する。これは,福山港沖合における海面上昇量の約2倍に相当する。津波到来が満潮時であれば,最高潮位は平均海水面から約4.8mの高さとなる。
福山港泊地では標高約5.5mの護岸堤防が整備されている。この堤防高は満潮時の津波到来時における最高潮位よりも約1m高く,堤防の破損等がなければ越水の危険性は低いと言える。しかし,台風のような大型低気圧の接近時など極端な気象条件下では,顕著な潮位上昇が加わる可能性がある。向井他(2022)は福山港泊地において2021年9月1日~11月4日に潮位変化の連続観測および気象観測を実施し,吸い上げ効果および吹き寄せ効果の応答特性を推定した。過去10年間に福山市で観測された気圧変化および風向・風速変化から求めた吸い上げ効果および吹き寄せ効果は,両者合わせて最大約0.4mの潮位上昇をもたらす。また,福山港泊地では周期約42分の副振動が励起されており,2021年の台風接近時には,泊地最奥部において副振動による約0.3mの潮位上昇が生じた。
吸い上げ効果や吹き寄せ効果,副振動を考慮すると,極端な気象条件によっては,約0.7mの潮位上昇が加わることになり,泊地最奥部における津波到達時の最高潮位は約5.5mに達することが予想される。これは護岸堤防上端と同じ標高であることから,地震動による堤防破損や液状化現象による地盤沈下の影響を考えると,泊地沿岸部から市街地への海水流入の危険性は高いと言える。
福山港泊地は瀬戸内海に面した距離約8.5kmの折れ曲がりのある細長い水路であり,その幅は950mから150mへと内陸部ほど狭くなっている。向井(2024)は,海上保安庁の津波シミュレーションによる福山港沖合の津波波形を用いて、津波が福山港泊地に侵入した際の潮位変化を計算した。津波伝播による海面上昇は地震発生の約6時間後に最大となり,その上昇量は約2.6mに達する。これは,福山港沖合における海面上昇量の約2倍に相当する。津波到来が満潮時であれば,最高潮位は平均海水面から約4.8mの高さとなる。
福山港泊地では標高約5.5mの護岸堤防が整備されている。この堤防高は満潮時の津波到来時における最高潮位よりも約1m高く,堤防の破損等がなければ越水の危険性は低いと言える。しかし,台風のような大型低気圧の接近時など極端な気象条件下では,顕著な潮位上昇が加わる可能性がある。向井他(2022)は福山港泊地において2021年9月1日~11月4日に潮位変化の連続観測および気象観測を実施し,吸い上げ効果および吹き寄せ効果の応答特性を推定した。過去10年間に福山市で観測された気圧変化および風向・風速変化から求めた吸い上げ効果および吹き寄せ効果は,両者合わせて最大約0.4mの潮位上昇をもたらす。また,福山港泊地では周期約42分の副振動が励起されており,2021年の台風接近時には,泊地最奥部において副振動による約0.3mの潮位上昇が生じた。
吸い上げ効果や吹き寄せ効果,副振動を考慮すると,極端な気象条件によっては,約0.7mの潮位上昇が加わることになり,泊地最奥部における津波到達時の最高潮位は約5.5mに達することが予想される。これは護岸堤防上端と同じ標高であることから,地震動による堤防破損や液状化現象による地盤沈下の影響を考えると,泊地沿岸部から市街地への海水流入の危険性は高いと言える。