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[AOS21-P06] 凸型地形上を伝播する内部潮汐の砕波動態に関する研究
キーワード:内部潮汐、数値シミュレーション、凸型地形
沿岸海域における内部波の砕波は,強い流れや鉛直混合を引き起こし,底層の物質を上層へ輸送することで栄養塩等の分布にとって重要なプロセスである.内部波と海底地形の関係について解明することは沿岸海域の生態系の保全を考える上で重要であるが,凸型の地形のような特異な地形上を伝播する内部潮汐の研究は知見が乏しい.本研究では,底質再懸濁モデルを組み込んだ2次元非静水圧水理モデルSUNTANSを用い,凸型の海底地形上を通過する内部波のメカニズムを解析した.内部波のエネルギー収支を評価するため内部波エネルギーフラックス(E)を算出した.地形が急勾配になるにつれて,反射される波(ER)の割合は増加し,散逸量と地形上を通過する波(ET)の割合は減少した.海底地形の最浅部が水温躍層の水深に位置している場合,凸地形の下流側において底質の巻き上げが生じた.一方地形の高さが水温躍層より深い場合,底質の巻き上げは上流側で生じていた.凸地形の高さと体積を等しく設定した滑らかな正規分布地形を与えたケース(control case)と階段状の地形を与えたケースでの実験結果の比較検討を行った.段スケールの違いのみで反射エネルギーは最大40%,散逸エネルギーは最大55%程度も変化していた.また,底質の巻き上げは段スケールが大きくなるほど抑制されていた.海底せん断応力や渦拡散係数は,段スケールが大きな地形では海底地形の段差部分と最浅部において局所的に強められるが,領域平均したこれらの値は滑らかな正規分布地形上のケースの方が高かった.本研究で得られた結果は,海洋構造物の形状による海洋環境への影響指標として有益な情報となり得る.