17:15 〜 19:15
[AOS21-P07] 房総沖陸棚で観測された内部孤立波列
キーワード:内部波、ソリトン、乱流混合
房総沖の陸棚では、利根川河川水の影響を受ける沿岸水と黒潮の影響を受ける外洋水が隣接しており、これらの海水の混合は沿岸の栄養塩循環において重要な役割を果たすと考えられる。本研究グループが2023年9月に実施した観測では、房総沖陸棚での乱流運動エネルギー散逸率・クロロフィル蛍光・硝酸塩濃度の空間分布の調査から、乱流鉛直混合が亜表層クロロフィルに必要な栄養塩供給に寄与することが示唆されている。そこで本研究では、乱流混合をもたらす物理過程を解明することを目的として、2024年夏に房総沖陸棚にて係留観測を実施した。係留系には、音響ドップラー流速計 (ADCP)、水温塩分計10台、クロロフィル濁度計4台、水温計12台 (SBE-56 10台+ DEFI-T 2台) を搭載し、7月3日に設置、8月21日に回収した。
12台の水温計により、密度躍層(水深30–55 m)において、最大7℃ の大振幅な水温変動が断続的に観測された。ADCPによる水平流速・鉛直流速との対応から、この水温変動は内部孤立波の波列と考えられる。7月10日午後3時半から5時半にかけて、6波以上の内部孤立波が立て続けに観測されたため、このイベントについて詳細な解析を行った。各内部孤立波の継続時間は約10分、水平波長は約400 mと推定された。等密度面の鉛直変位ηは最大38 m (係留地点の水深は100 m), 伝播速度Cは最大0.49 m/s (線形内部波の位相速度c=0.3m/s)と推算され、強い非線形性が示唆された。進行方向θは南西向きと推定され、外洋からの伝播が示唆された。内部孤立波の起源は明らかではないが、外洋から陸棚に進入した内部潮汐波が進行速度の低下に伴い増幅・分裂することで生じた可能性が考えられる。SBE-56による1 Hzの水温時系列にパラメタリゼーションを適用し、乱流鉛直拡散係数を推定したところ、内部孤立波発生時の乱流混合は平常時の100–1000倍に達することが示唆された。
12台の水温計により、密度躍層(水深30–55 m)において、最大7℃ の大振幅な水温変動が断続的に観測された。ADCPによる水平流速・鉛直流速との対応から、この水温変動は内部孤立波の波列と考えられる。7月10日午後3時半から5時半にかけて、6波以上の内部孤立波が立て続けに観測されたため、このイベントについて詳細な解析を行った。各内部孤立波の継続時間は約10分、水平波長は約400 mと推定された。等密度面の鉛直変位ηは最大38 m (係留地点の水深は100 m), 伝播速度Cは最大0.49 m/s (線形内部波の位相速度c=0.3m/s)と推算され、強い非線形性が示唆された。進行方向θは南西向きと推定され、外洋からの伝播が示唆された。内部孤立波の起源は明らかではないが、外洋から陸棚に進入した内部潮汐波が進行速度の低下に伴い増幅・分裂することで生じた可能性が考えられる。SBE-56による1 Hzの水温時系列にパラメタリゼーションを適用し、乱流鉛直拡散係数を推定したところ、内部孤立波発生時の乱流混合は平常時の100–1000倍に達することが示唆された。