日本地球惑星科学連合2025年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 B (地球生命科学) » B-CG 地球生命科学複合領域・一般

[B-CG06] 地球史解読:冥王代から現代まで

2025年5月28日(水) 17:15 〜 19:15 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 7・8ホール)

コンビーナ:小宮 剛(東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻)、白石 史人(広島大学 大学院先進理工系科学研究科 地球惑星システム学プログラム)、澤木 佑介(東京大学大学院総合文化研究科)、柏原 輝彦(国立研究開発法人海洋研究開発機構)

17:15 〜 19:15

[BCG06-P15] 南オーストラリアのクライオジェニアン紀後期の層序と海綿様化石の特徴

*矢部 志織1野田 舜1狩野 彰宏1 (1.東京大学 大学院理学系研究科)


キーワード:新原生代、海綿動物、炭素同位体

原生代は環境変動と生物進化が起きた時代である。新原生代後期 (7.2〜5.4億年前) は動物が多細胞化した時代であり、酸素濃度が上昇し、全球凍結イベントが起きたと考えられている。分子時計の記録では最も原始的な海綿動物は約 8 億年前のトニア紀後期に進化し、その後のクライオジェニア紀以降により複雑な動物門が現れたと考えられている。これに対し、多細胞動物の化石記録は限定的で懐疑的なものが多い。現時点で最も信頼される海綿動物の証拠はクライオジェニア紀に現れた海綿動物のバイオマーカー24-イソプロピルコレスタン(Love et al, 2009)であり、世界中でそれを裏付ける化石証拠が探求されている。
そこで本研究では後期クライオジェニア紀を対象に、当時の地球表層環境を推定することを目的として、南オーストラリア州のフリンダースレンジ地域に分布する、Trezona層を含む堆積層を対象に地質調査と試料採集を行なった。Trezona層の先行研究では、原始的な多細胞動物である海綿動物とされる化石が報告されている(Maloof et al., 2010)。試料はTrezona 層とその下位のEratina層を含む層厚約1200mに及ぶ層から、合計約200サンプルを採取した。下位のEratina層は層状の泥岩主体であり、石灰質の層準が数層含まれていた。上位のTrezona層はマリノアン氷期直下の堆積層であり、主に炭酸塩岩と黒色頁岩の互層となっていた。海綿様化石は本層の下部に認められ、ストロマトライトが共産する浅海環境で堆積した。この層には炭素同位体の負のアノマリーが認められ,アノマリーは上位の氷礫岩との境界から約10mの層準で解消する。