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[BPT04-P07] 天然環境での化石化実験による、鯨骨内における初期続成作用

キーワード:タフォノミー、鯨骨、続成作用
化石化過程は, 化石の産状観察や化学分析を用いた研究を中心に解明されてきた. また, 現生生物遺骸を用いた実験もされているが, 実験室の水槽などをもちいた規模が小さく, 短期間の研究に限られる. このような実験規模では化石化過程の全容を理解することは難しく, 特に, 大型生物を対象とした化石化過程の包括的理解には, 大規模かつ長期的な研究が必要である. このような研究の課題を克服するには, 天然環境での実験が有効である.
本研究は, 天然環境での約4年の長期にわたる化石化実験によって, 鯨遺骸の初期化石化プロセスを明らかにすることを目的とする.
本研究は, 2020年から石川県能登半島九十九湾で鯨遺骸3個体を沈設し実験を行った. 沈設後の鯨骨内の変化を明らかにするために, 実体顕微鏡, 走査型電子顕微鏡観察, 薄片観察, ラマン分光分析を行った.
鯨骨内には炭素, 酸素, カルシウムから構成される白色物質が形成されていた. この白色物質はCaと結合した有機物結晶であると考えられる. また, 骨内有機物の嫌気的な分解によって形成されると考えられ, 沈設から少なくとも約1年で骨表面付近から形成されることが明らかとなった.
Ca結合有機物結晶は, 化石骨内に見られる炭酸塩鉱物と結晶外形が似ており, 元素組成も同じであった. このことから, Ca結合有機物結晶は化石骨内に見られるような炭酸塩鉱物の前駆体であると考えられる.
従来, 遺骸の分解に伴って直接炭酸塩鉱物が沈殿すると考えられてきた. しかし, 本研究の鯨骨内には鉱物沈殿は見られず, Ca結合有機物結晶が形成された. このことから, 骨内有機物の分解に伴ってCa結合有機物結晶が形成され, やがて炭酸塩鉱物に応物化していく可能性が挙げられる.
本研究は, 天然環境での長期にわたる現生実験により, 今まで見過ごされてきた骨内の化石化プロセスを発見することに成功した.
本研究は, 天然環境での約4年の長期にわたる化石化実験によって, 鯨遺骸の初期化石化プロセスを明らかにすることを目的とする.
本研究は, 2020年から石川県能登半島九十九湾で鯨遺骸3個体を沈設し実験を行った. 沈設後の鯨骨内の変化を明らかにするために, 実体顕微鏡, 走査型電子顕微鏡観察, 薄片観察, ラマン分光分析を行った.
鯨骨内には炭素, 酸素, カルシウムから構成される白色物質が形成されていた. この白色物質はCaと結合した有機物結晶であると考えられる. また, 骨内有機物の嫌気的な分解によって形成されると考えられ, 沈設から少なくとも約1年で骨表面付近から形成されることが明らかとなった.
Ca結合有機物結晶は, 化石骨内に見られる炭酸塩鉱物と結晶外形が似ており, 元素組成も同じであった. このことから, Ca結合有機物結晶は化石骨内に見られるような炭酸塩鉱物の前駆体であると考えられる.
従来, 遺骸の分解に伴って直接炭酸塩鉱物が沈殿すると考えられてきた. しかし, 本研究の鯨骨内には鉱物沈殿は見られず, Ca結合有機物結晶が形成された. このことから, 骨内有機物の分解に伴ってCa結合有機物結晶が形成され, やがて炭酸塩鉱物に応物化していく可能性が挙げられる.
本研究は, 天然環境での長期にわたる現生実験により, 今まで見過ごされてきた骨内の化石化プロセスを発見することに成功した.