日本地球惑星科学連合2025年大会

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[EV-21] 三宅賞レクチャー

2025年5月28日(水) 12:20 〜 13:00 ステージエリア (幕張メッセ国際展示場 7・8ホール)


12:20 〜 13:00

[EV21-01] リターンサンプルから水を探す

土山 明1 (1. 立命館大学総合科学技術研究機構)

地球以外の天体からサンプルを採取し地球に持ち帰ることをサンプルリターンと呼ぶ。NASAのアポロ計画により1969年に月サンプルが初めて採取され、我が国ではJAXAのはやぶさ計画(2010年)およびはやぶさ2計画(2020年)により、小惑星イトカワとリュウグウのサンプルがそれぞれ採取された。これらの他にも、旧ソ連のルナ計画、中国の嫦娥5,6号により月の、NASAのオシリス・レックス計画により小惑星ベンヌの、またNASAのスターダスト計画によりヴィルト2彗星のサンプルが地球に持ち帰られている。
これらのサンプルの分析は、観測・理論・探査に基づく研究だけでは得られない物質科学分野からの貢献をもたらす。最近では、最も始原的と考えられるC型あるいは類似の小惑星リュウグウやベンヌのサンプルから多様な有機物が見出され、これまで隕石の分析のみでは得られなかったいくつかの成果が明らかとなっている。
私は、主として非破壊法であるX線CTを用いて、隕石やこれらの貴重なリターンサンプルの分析に携さわってきた。これにより、サンプルの鉱物粒子中に閉じ込められた、太陽系初期に小天体内に存在していた液体の水(液体包有物)を見出している。講演では、太陽系における水を概観し、太陽系初期の水の発見の意義と、今後の展望について述べたい。