日本地球惑星科学連合2025年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 G (教育・アウトリーチ) » 教育・アウトリーチ

[G-01] 地球惑星科学のアウトリーチ・実践と理論

2025年5月25日(日) 09:00 〜 10:30 301A (幕張メッセ国際会議場)

コンビーナ:玉澤 春史(東京大学生産技術研究所)、寺薗 淳也(合同会社ムーン・アンド・プラネッツ)、塚田 健(平塚市博物館)、座長:玉澤 春史(東京大学生産技術研究所)、寺薗 淳也(合同会社ムーン・アンド・プラネッツ)

09:30 〜 09:45

[G01-03] 海洋科学掘削の研究現場から届けるアウトリーチ

*村田 レナ1、中野 夏海1、吉澤 理1、吉松 あゆみ1高橋 可江1、Marianne Conin2、Patrick Fulton3、Jamie Kirkpatrick4小平 秀一1Christine Regalla5氏家 恒太郎6、江口 暢久1、前田 玲奈1奥津 なつみ1Toczko Sean1、the Expedition 405 Science Party and Outreach Officers (1.国立研究開発法人海洋研究開発機構、2.University of Lorraine、3.Cornell University USA、4.University of Nevada, Reno、5.Northern Arizona University、6.筑波大学)

キーワード:IODP Exp.405、JTRACK、地球深部探査船「ちきゅう」、海洋科学掘削、アウトリーチ、科学コミュニケーション

2024年9月6日~12月20日、IODP第405次研究航海「日本海溝巨大地震・津波発生過程の時空間変化の追跡」“JTRACK”を地球深部探査船「ちきゅう」により実施した。本航海では、高速衛星通信を活用し、「ちきゅう」で初めての本格的なライブ配信が実現した。一般市民にとって目にすることが少ない海洋科学掘削の研究現場から、研究対象や調査そのものへの実感を伴って伝える手段として、またさまざまな背景・年齢の人との双方向的なコミュニケーションツールとして、船上からのライブ配信を活用した。科学館でのイベントや授業への組み込み等、陸上との連携により具体的な質問も多く挙がり、イベント参加者からのアンケートや関係者からの聞き取りにおいて、深い関心・理解を実感する意見もあった。
また、研究航海を多様なターゲットに様々なアプローチで伝えることを目的とし、日米欧豪でOutreach Officerを公募、9名が乗船し、それぞれの特性を活かし、積極的なアウトリーチ活動を行った。
本発表では、JTRACKで実施した具体例とその成果を報告するとともに、本研究航海のような海洋科学掘削の研究現場からのアウトリーチ活動の課題について考える。

《発信例》
・ライブ配信:YouTubeおよびニコニコ生放送の2つのプラットフォーム上で、船上からの中継を含むライブ配信をシリーズとして計5回放送した。また、ライブ配信番組のパブリックビューイングを全国の科学館等14施設でのべ34回実施した。加えて、各国の乗船研究者らも船上からの中継授業などを15回以上実施した。
・海洋STEAM教育:JAMSTECが作成した海洋STEAM教材を用いて、青森県八戸市立吹上小学校の教員が実践授業を実施。船上とつなぐことで双方向性のある海洋STEAM授業を国内で初めて実施した。
・科学館等での展示や中継イベント:全国科学館連携協議会を通して日本国内の科学館へ参加を募り、13施設との中継イベントを実施。学術集会等での中継は5回行った。そのほか、科学館と協力してJTRACKに関する特別展示やトークイベントを実施した。
・Outreach Officerの公募・発信:海洋科学掘削にまつわる多様な発信のため、日米欧豪でOutreach Officerを公募。ビデオグラファー、フォトグラファー、イラストレーター、サイエンスコミュニケーターなど、国内外から様々なバックグラウンドを持つ計9名の専門家が「ちきゅう」に乗船し、それぞれの視点・手法での情報発信を行った。船上からのオンライン授業、SNSを通したインタビュー動画や漫画などの市民向けのリアルタイムの発信や、海洋科学掘削をテーマとする教材作成など、航海終了後も連携してアウトリーチ活動を継続している。