09:45 〜 10:00
[G01-04] 中高生学外地学実習参加プロセスの研究
★招待講演
キーワード:野外実習、次世代育成
高校教育では、2002年のスーパーサイエンスハイスクール(SSH)開始以降、課題研究の重要性が増しており、地学分野の課題研究も一定数実施されている。このような理科教育カリキュラムの変化に伴い、本研究課題実践者らによる育成事業に参加したこれまでの参加生徒たちの一定数が、大学進学において地学関連学科を選択していることが個人的なコミュニケーションで判明している。そこで、野外実習のような専門性の高い地学教育プログラムは、将来の大学進学を視野に入れて地学を学ぶ中高生を増やすことに効果があるという仮説を立て、2022年、2023年と同じ場所で同様の実習を開催している。
今回は、過去3回の実習参加生徒の属性およびアンケート結果から、参加生徒が実習情報をどのように知り、どのように考えて参加しているかについて分析を行った。
調査方法は参加生徒の在住都道府県、所属学校形態、学年、実習の参加経緯、実習の評価、将来の希望進路、保護者アンケートなどのデータを収集し、それらの傾向について分類分けを行った。
・参加生徒の傾向としては、中高一貫校の中学生の参加が突出して高い。これは、生徒が地学に興味を持つ際、年齢的な要素としては受験にかからない時期であり、中学受験を通じて知識が増えた段階である可能性が示唆される。
・次に多いのは3年制の高校生である。3年制の高校は数としては多いものの、中高一貫校と比較すると、部活動との兼ね合いや風土など、参加しにくい背景が示唆される。
・実習プログラムの作成に関しては、学校で学ぶ知識を複合的な分野で組み合わせて理解を深め、統合的な理解につなげる要素に加え、学習指導要領にはあるものの学校では学ぶことが難しいフィールドワークの手法が実際に学べる、経験できるという点が重要である。
・実習の入り口となる応募に関しては、参加生徒の所属校との信頼関係、および、心理面を含む保護者のサポートが存在している。
本事業のような、探求活動につながる実習指導は人手が必要で、一度で指導できる人数が限られるため、信頼性の評価に至るまでのデータ蓄積には回数が必要になる。しかし、今回の調査で中高一貫校の中学生が専門性の高い地学実習に参加しやすい傾向があり、その背景としては本人の興味を支える理科の専門性が高い教諭の存在、教諭によるマッチング、生徒の自発的活動を支援する保護者の存在があることが浮かび上がってきた。同時に生徒側は自分たちの安全確保や知的興味を満たす実習であるかについて、学校教諭や保護者の視点を判断基準にしている可能性も同様に浮かび上がってきた。
ここから見える中高生向け実習の戦略の1つとしては、実習募集に関する周知情報のうち、以下の方法で効果が期待されるようである。
学術面に関しては、やや専門性の高い内容でも文章や図で誰でもしっかりと理解できる情報として出す。生徒自身がわかるだけでなく、特に、所属校の教諭の目に留まることも重要である。安全面や信用に関しては、生徒だけでなく、生徒の保護者および所属校の教諭の目線で信用に足るという実績、行動が必要である。主催者の理念にもよるものの、保護者や家族が一緒に実習に参加した場合、生徒の地学系学科進学への理解や家族の応援が得やすくなるという大きな利点につながる。
一方で、本事例からみられる懸念点は、実習内容と生徒のマッチングを行うことのできる地学や自然科学に関する専門性が高い教員の数があげられる。中高一貫校の中学生の参加が多い背景もこの点に負うところは多いと思われる。地学普及に関する対策は1つに絞る必要はないので、複合的な対処をしながら、地道な活動が求められる。
今回は、過去3回の実習参加生徒の属性およびアンケート結果から、参加生徒が実習情報をどのように知り、どのように考えて参加しているかについて分析を行った。
調査方法は参加生徒の在住都道府県、所属学校形態、学年、実習の参加経緯、実習の評価、将来の希望進路、保護者アンケートなどのデータを収集し、それらの傾向について分類分けを行った。
・参加生徒の傾向としては、中高一貫校の中学生の参加が突出して高い。これは、生徒が地学に興味を持つ際、年齢的な要素としては受験にかからない時期であり、中学受験を通じて知識が増えた段階である可能性が示唆される。
・次に多いのは3年制の高校生である。3年制の高校は数としては多いものの、中高一貫校と比較すると、部活動との兼ね合いや風土など、参加しにくい背景が示唆される。
・実習プログラムの作成に関しては、学校で学ぶ知識を複合的な分野で組み合わせて理解を深め、統合的な理解につなげる要素に加え、学習指導要領にはあるものの学校では学ぶことが難しいフィールドワークの手法が実際に学べる、経験できるという点が重要である。
・実習の入り口となる応募に関しては、参加生徒の所属校との信頼関係、および、心理面を含む保護者のサポートが存在している。
本事業のような、探求活動につながる実習指導は人手が必要で、一度で指導できる人数が限られるため、信頼性の評価に至るまでのデータ蓄積には回数が必要になる。しかし、今回の調査で中高一貫校の中学生が専門性の高い地学実習に参加しやすい傾向があり、その背景としては本人の興味を支える理科の専門性が高い教諭の存在、教諭によるマッチング、生徒の自発的活動を支援する保護者の存在があることが浮かび上がってきた。同時に生徒側は自分たちの安全確保や知的興味を満たす実習であるかについて、学校教諭や保護者の視点を判断基準にしている可能性も同様に浮かび上がってきた。
ここから見える中高生向け実習の戦略の1つとしては、実習募集に関する周知情報のうち、以下の方法で効果が期待されるようである。
学術面に関しては、やや専門性の高い内容でも文章や図で誰でもしっかりと理解できる情報として出す。生徒自身がわかるだけでなく、特に、所属校の教諭の目に留まることも重要である。安全面や信用に関しては、生徒だけでなく、生徒の保護者および所属校の教諭の目線で信用に足るという実績、行動が必要である。主催者の理念にもよるものの、保護者や家族が一緒に実習に参加した場合、生徒の地学系学科進学への理解や家族の応援が得やすくなるという大きな利点につながる。
一方で、本事例からみられる懸念点は、実習内容と生徒のマッチングを行うことのできる地学や自然科学に関する専門性が高い教員の数があげられる。中高一貫校の中学生の参加が多い背景もこの点に負うところは多いと思われる。地学普及に関する対策は1つに絞る必要はないので、複合的な対処をしながら、地道な活動が求められる。