日本地球惑星科学連合2025年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 G (教育・アウトリーチ) » 教育・アウトリーチ

[G-01] 地球惑星科学のアウトリーチ・実践と理論

2025年5月25日(日) 10:45 〜 12:15 301A (幕張メッセ国際会議場)

コンビーナ:玉澤 春史(東京大学生産技術研究所)、寺薗 淳也(合同会社ムーン・アンド・プラネッツ)、塚田 健(平塚市博物館)、座長:寺薗 淳也(合同会社ムーン・アンド・プラネッツ)、玉澤 春史(東京大学生産技術研究所)

11:15 〜 11:30

[G01-09] 天文アウトリーチ学生団体「あすちか」による小学生への出前授業

★招待講演

*小濱 瑞希1松野 なな2、小笠原 優斗3、木村 拓人4、竹下 颯馬4 (1.京都大学大学院理学研究科、2.総合研究大学院大学先端学術院天文科学コース、3.京都大学基礎物理学研究所、4.京都大学理学部)

キーワード:アウトリーチ、小学生、宇宙科学

現状の学習指導要領では、小学生が理科の授業で宇宙科学について学習する機会は少なく、わずかな授業時間で宇宙の面白さに触れてもらうには授業内容の創意工夫が求められる。しかし、科学技術振興機構の「平成22年度小学校理科教育実態調査報告書」によると、理科に苦手意識をもつ小学校教員が多いことがわかっており、その対策として挙げられている理科の専科教員が配置されていないケースも見受けられるため、退職教員などの有用な外部人材を支援員として小学校に派遣し、理科授業の提案・助言を行うことが求められている。

このような問題に対するを解決策の1つとして、研究者や大学生が小学生向けにアウトリーチ活動を実施することが考えられる。2023年4月に京都大学理学部の学生を中心に立ち上げられた団体「あすちか」は、これまで小学生を対象とした天文学のアウトリーチ活動を展開してきた。あすちかは、学童や寺院など様々な場所で活動してきたが、中でも小学校での出前授業を数多く実施している。

本発表では、これまであすちかが京都府や香川県の小学校で実施してきた出前授業について、実施概要や成果などを紹介する。出前授業は、小学校への直接依頼または教育委員会との交渉を経て実施された。当日は、国立天文台4次元デジタル宇宙プロジェクトが開発したMitakaや、熊本大学宇宙論研究室によって開発されたSpace Fightなどの既存の優れた教材を複数活用することで、短い授業時間でも質の高い授業を提供できるようにしてきた。さらには、京都大学花山天文台や香川県の天体望遠鏡博物館と協力し、希望者向けに出前授業後の夜間観望会も実施してきた。授業後には参加児童を対象にアンケートを実施して、出前授業を通して宇宙に興味を持った児童の割合などを調査した。その結果、約9割の児童が「より興味をもった」と回答し、大学生による天文学のアウトリーチ活動の有効性の高さが見えてきた。また、教員に対してはインタビューを実施し、大学生のアウトリーチ活動に対する評価や意見も調査したところ、好意的な意見が多く得られた。