日本地球惑星科学連合2025年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 G (教育・アウトリーチ) » 教育・アウトリーチ

[G-04] 小・中・高等学校,大学の地球惑星科学教育

2025年5月25日(日) 15:30 〜 17:00 301A (幕張メッセ国際会議場)

コンビーナ:畠山 正恒(聖光学院中学高等学校)、丹羽 淑博(国立極地研究所)、座長:丹羽 淑博(国立極地研究所)、畠山 正恒(聖光学院中学高等学校)


16:30 〜 16:45

[G04-11] ドローン活用による郷土の自然環境学習用資料の作成

*田原 敬治1 (1.和歌山県立南紀高等学校)

キーワード:ドローン、映像資料、3Dモデル、定時制高校

【はじめに】
 筆者は自然環境(地球科学・環境科学)に関する授業を行う際、生徒達には空間と時間の概念を身につけ、身近なものにもその概念が共通することを理解してほしいと考えている。
 そのため、夜間に行われる定時制高校の授業において、地形・地質や植生などの広がりについて視覚的・直感的に伝わり、学習内容を郷土の事物と結び付けて理解しやすくなる映像資料の作成を試みた。

【使用機器及びソフトウェア】
 空撮にはParrot社製ANAFI(normal及びthermal)を使用し、対象の周囲を手動および自動(Pix4Dcaptureで制御)を飛行させ、映像資料の元になる動画及び写真を撮影した。また、3DモデルはPix4D社製Pix4Dmapperを用いて作成した。

【作成した映像資料の例】
①ヒキ岩群(和歌山県田辺市)
 砂岩が浸食を受け、何匹ものヒキガエルが並んだように見える岩峰になっている。岩峰の間には二次林が形成されている。かつては薪炭として利用された樹木が、現在は伐採されず岩峰群を覆いつつある。
②天鳥小褶曲(和歌山県すさみ町)
 有名なフェニックス褶曲の近くにあり、国道42号からアクセスしやすい。褶曲の両面が観察できるため、金太郎飴を切ったように断面の連続性を理解できる。波の強い海岸にあるため、波蝕による岩石の浸食についても観察しやすい。
③恋人岬・陸の黒島・沖の黒島(和歌山県すさみ町)
 陸の黒島に向かって恋人岬から礫州が伸びており、トンボロ形成の過程を見ることができる。また、陸の黒島と沖の黒島の間を抜ける波の回折や、その衝突の様子を観察することもできる。
④富田の洗濯岩(和歌山県白浜町)
 砂岩泥岩互層が広がっており、洗濯板状の地形ができている。有名な鬼の洗濯岩と比べれば規模は小さいが、洗濯岩が身近な存在であることを感じられる場所である。
⑤太田川の蛇行(和歌山県那智勝浦町)
 蛇行河川の周囲に水田が広がっており、河川と後輩湿地の関係がよくわかる。また、周囲には還流丘陵が残っており、川の流路が変わりながら現在の環境を作っていることを感じられる。

【今後に向けて】
 生徒たちの声を聴き、より直感的に理解しやすい資料への改良を進めたい。

【文献】
田原敬治,2024,日本地球惑星科学連合2024年大会講演要旨集
田原敬治,2023a,令和5年度(2023年度)全国理科教育大会・第94回日本理化学協会総会 兼 第58回和歌山県高等学校理科研究大会研究発表論文集
田原敬治,2023b,日本地質学会第130年学術大会講演要旨集