日本地球惑星科学連合2025年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 G (教育・アウトリーチ) » 教育・アウトリーチ

[G-04] 小・中・高等学校,大学の地球惑星科学教育

2025年5月25日(日) 17:15 〜 19:15 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 7・8ホール)

コンビーナ:畠山 正恒(聖光学院中学高等学校)、丹羽 淑博(国立極地研究所)


17:15 〜 19:15

[G04-P01] 「出る杭」となる高校生を育てる探究活動を専門学会がどう支援していくか

*川勝 和哉1 (1.兵庫県立姫路東高等学校)

キーワード:出る杭、スーパーサイエンスハイスクール

兵庫県立姫路東高等学校は、2020年に「世界を牽引する人材育成のための国際的な課題研究と科学倫理探究のロールモデル作成」を研究開発目標として、文部科学省からスーパーサイエンスハイスクール(SSH)の指定を受けた。研究開発の柱は「地球科学を中心にした国際的な活動への挑戦」と「科学部の国際的な活動への支援」である。科学部員は2025年1月現在で38名在籍しており、いくつかの研究班に分かれて精力的に活動している。
2024年1月に本校の生徒19名は、オーストラリアNSW州南東部のBingi Bingi Pointの露頭調査を5日間にわたって行い、採取した試料の薄片を作成して偏光顕微鏡で観察し、深成岩の角閃石からマグマ分化過程末期の環境を記録する波状累帯構造を発見した。その形成過程と条件を明らかにする目的で、京都大学のCOCOUS-Rを受験して合格し、生徒自らEPMA分析を行う環境を整えた。さらに企業助成金に応募して採択され、研究資金を得て研究を進めた。得られた成果は、2024年12月にワシントンDCで開催されたAmerican Geophysical Unionで発表し、その専門性が高く評価された。
一方、日本国内の学会や研究論文コンテストでは、正当な評価を得ることが困難な状況である。このことは、多くのSSH指定校でも問題視されている。SSH指定校には先端的な科学研究の成果が求められ、そこで研究開発した実験や観察の手法、成果を広く公開することが求められている。全国には、高校生段階においても非常に進んだ研究姿勢を持つ生徒が少なくない。高校生の研究成果が基になって、教科書が書き換えられたケースもある。しかし、このように進んだ内容の論文を高校生の研究論文コンテストに応募すると、審査員から「このような研究は高校生ではなしがたいものであり、大学研究者の指導と知恵のもとになし得たものと考えざるを得ない。もっと高校生らしい視点で自信をもって研究を行ってもらいたい」という評価が返ってくることが少なくない。内容の評価ではなく、推測に基づいて高校生の努力や能力を正当に評価しない講評は、その研究を行った高校生に失望を与える。優れた「出る杭」となる生徒をどのように育成していくのか、まずは現状を客観的に評価する必要がある。