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[G04-P07] 一眼レフを用いたレティキュライトの3Dモデル教材作成と活用
キーワード:3Dモデル、教材開発、火山噴出物、博学連携、ICT活用
1、背景と目的
中学校学習指導要領(平成29年告示)解説、理科編の「第3章 指導計画の作成と内容の取扱い」の項目には、資質・能力を育成するためには、年間の指導計画を見通して、観察、実験の時間、生徒自らが課題を解決するために探究する時間などを十分確保することが必要であるといった記述がある。
観察を行う際は実物標本を使うことが学習効果を高める上で重要になってくる。しかし、河野ほか(2020)では、標本を児童・生徒全員に配ることは難しいこと、教員や児童・生徒が標本を破損してしまうことを心配し使用が躊躇されること等、博物館と連携した実物標本を用いた観察は様々な問題点が指摘されている。
近年は一人一台端末を持つことが可能になった。それを活用し様々な教育活動が行われている。その中の一つが3Dモデルを用いた観察授業である。3Dモデルは実物標本を用いた観察における欠点を補完しつつ、生徒の興味・関心を引く授業や理科の見方・考え方を働かせた授業作りを手助けする強力なツールとなると考えられる。
3Dモデルを作成する手法の一つとして写真測量が挙げられる。しかし、多孔質のスポンジ状の物やガラス質の物など特徴点を捉えにくい標本を用いた3Dモデルの作成は行われていない。
本研究は、生徒の興味・関心を引く授業や理科の見方・考え方を働かせた授業のための教材としての、3Dモデルを使用した効果的な授業を提案すること、特徴点を捉えにくい標本の3Dモデルを作成すること、の2点を目的として行った。
2,対象とする学習内容と開発する3Dモデル教材
啓林館未来へひろがるサイエンス1の「第3章 火をふく大地 1,火山の噴火」の単元の中でも特に、噴火のしくみの部分を想定し3Dモデルを作成する。今回は発泡の様子が極端に現れているレティキュライトの3Dモデルを作成するに至った。
3、手法
標本はレティキュライト(ハワイ島キラウエア火山産)を用いた(図1)。機材は「一眼レフカメラ、リモコンシャッター、三脚、単焦点レンズ、偏光フィルター、LEDライトバー、デスクライト、標本を設置する台」を用いた。
撮影手順としては、回転椅子の上に円形に切り取った段ボールを乗せその上に先行研究において作成された標本を設置する台を置き標本を乗せて撮影を開始した。撮影は1枚撮ったら回転椅子を右に少し回し、次の1枚を撮り右に回す作業を繰り返し、標本を360°の方向から撮る方式で行った。途中、回転椅子の上に直接のせる方法も行った。その他、偏光レンズや背景など適宜用いて行った。カメラのF値は22まで変更できるが今回は16、20の2つに設定して試行した。
3Dモデルの作成手順について、撮影した写真をphotoscanに取り込み、写真のアライメント推定、高密度クラウド、メッシュ構築、テクスチャ構築、の順で処理した後、モデルをエクスポートすることで作成をした。
4、結果
3Dモデルを以下に示す。(図2)レティキュライトの特徴である極端に発泡した様子がある程度再現でき、特徴点が少ない場合でも3Dモデルである程度が可能であることが分かった。
以下のURLから閲覧が可能である。
https://sketchfab.com/3d-models/reticulite-76ef6426eda84fee8fde31cce3a073c8
5、課題・考察
1点目について、今回作成した3Dモデルを用いた授業の提案を行う。取り扱う分野は啓林館未来へひろがるサイエンス1の「第3章火をふく大地 1,火山の噴火」の単元の中でも特に、噴火のしくみである。授業の流れとしては初めにマグマとは何だったのか確認し、本時の課題「火山はどのように噴火するのか」を提示する。次にレティキュライトを観察し、気づいた点を挙げる。炭酸飲料が発砲し噴き出す様子を動画で見せる。これを元に生徒らが噴火の仕組みを考察し、表現する。その際班を作り、その中で意見交換をする、または自由に歩き回り意見交換をするなどの活動を行い生徒間で議論する。その後全体で意見を共有し、最終的には「噴火はマグマが発泡し密度が小さくなることで浮力が発生する。その後、マグマが上昇し発砲する。」という事を確認する。このような学習活動を通して主体的・対話的で深い学びを実現し、科学的に探求するために必要な資質能力を育成していきたい。
2点目について、背景や照明の工夫、レンズをズームレンズに変える、標本自体を大きいものにするなどの措置が必要である。
参考文献
中学校学習指導要領(平成29年告示)解説、理科編
橋本(2022):橋本直樹、一眼レフカメラを用いた高精度3Dモデル岩石教材の作成
河野他(2020): 河野里奈・芝原暁彦・村瀬雅之、写真測量を利用したアンモナイト類の地学基礎用3Dモデル教材作成の試み
Kano(2022):Yuichi Kano、Bio-photogrammetry: digitally archiving coloured 3D morphology data of creatures and associated challenges
中学校学習指導要領(平成29年告示)解説、理科編の「第3章 指導計画の作成と内容の取扱い」の項目には、資質・能力を育成するためには、年間の指導計画を見通して、観察、実験の時間、生徒自らが課題を解決するために探究する時間などを十分確保することが必要であるといった記述がある。
観察を行う際は実物標本を使うことが学習効果を高める上で重要になってくる。しかし、河野ほか(2020)では、標本を児童・生徒全員に配ることは難しいこと、教員や児童・生徒が標本を破損してしまうことを心配し使用が躊躇されること等、博物館と連携した実物標本を用いた観察は様々な問題点が指摘されている。
近年は一人一台端末を持つことが可能になった。それを活用し様々な教育活動が行われている。その中の一つが3Dモデルを用いた観察授業である。3Dモデルは実物標本を用いた観察における欠点を補完しつつ、生徒の興味・関心を引く授業や理科の見方・考え方を働かせた授業作りを手助けする強力なツールとなると考えられる。
3Dモデルを作成する手法の一つとして写真測量が挙げられる。しかし、多孔質のスポンジ状の物やガラス質の物など特徴点を捉えにくい標本を用いた3Dモデルの作成は行われていない。
本研究は、生徒の興味・関心を引く授業や理科の見方・考え方を働かせた授業のための教材としての、3Dモデルを使用した効果的な授業を提案すること、特徴点を捉えにくい標本の3Dモデルを作成すること、の2点を目的として行った。
2,対象とする学習内容と開発する3Dモデル教材
啓林館未来へひろがるサイエンス1の「第3章 火をふく大地 1,火山の噴火」の単元の中でも特に、噴火のしくみの部分を想定し3Dモデルを作成する。今回は発泡の様子が極端に現れているレティキュライトの3Dモデルを作成するに至った。
3、手法
標本はレティキュライト(ハワイ島キラウエア火山産)を用いた(図1)。機材は「一眼レフカメラ、リモコンシャッター、三脚、単焦点レンズ、偏光フィルター、LEDライトバー、デスクライト、標本を設置する台」を用いた。
撮影手順としては、回転椅子の上に円形に切り取った段ボールを乗せその上に先行研究において作成された標本を設置する台を置き標本を乗せて撮影を開始した。撮影は1枚撮ったら回転椅子を右に少し回し、次の1枚を撮り右に回す作業を繰り返し、標本を360°の方向から撮る方式で行った。途中、回転椅子の上に直接のせる方法も行った。その他、偏光レンズや背景など適宜用いて行った。カメラのF値は22まで変更できるが今回は16、20の2つに設定して試行した。
3Dモデルの作成手順について、撮影した写真をphotoscanに取り込み、写真のアライメント推定、高密度クラウド、メッシュ構築、テクスチャ構築、の順で処理した後、モデルをエクスポートすることで作成をした。
4、結果
3Dモデルを以下に示す。(図2)レティキュライトの特徴である極端に発泡した様子がある程度再現でき、特徴点が少ない場合でも3Dモデルである程度が可能であることが分かった。
以下のURLから閲覧が可能である。
https://sketchfab.com/3d-models/reticulite-76ef6426eda84fee8fde31cce3a073c8
5、課題・考察
1点目について、今回作成した3Dモデルを用いた授業の提案を行う。取り扱う分野は啓林館未来へひろがるサイエンス1の「第3章火をふく大地 1,火山の噴火」の単元の中でも特に、噴火のしくみである。授業の流れとしては初めにマグマとは何だったのか確認し、本時の課題「火山はどのように噴火するのか」を提示する。次にレティキュライトを観察し、気づいた点を挙げる。炭酸飲料が発砲し噴き出す様子を動画で見せる。これを元に生徒らが噴火の仕組みを考察し、表現する。その際班を作り、その中で意見交換をする、または自由に歩き回り意見交換をするなどの活動を行い生徒間で議論する。その後全体で意見を共有し、最終的には「噴火はマグマが発泡し密度が小さくなることで浮力が発生する。その後、マグマが上昇し発砲する。」という事を確認する。このような学習活動を通して主体的・対話的で深い学びを実現し、科学的に探求するために必要な資質能力を育成していきたい。
2点目について、背景や照明の工夫、レンズをズームレンズに変える、標本自体を大きいものにするなどの措置が必要である。
参考文献
中学校学習指導要領(平成29年告示)解説、理科編
橋本(2022):橋本直樹、一眼レフカメラを用いた高精度3Dモデル岩石教材の作成
河野他(2020): 河野里奈・芝原暁彦・村瀬雅之、写真測量を利用したアンモナイト類の地学基礎用3Dモデル教材作成の試み
Kano(2022):Yuichi Kano、Bio-photogrammetry: digitally archiving coloured 3D morphology data of creatures and associated challenges
