14:00 〜 14:15
[HCG20-02] 沿岸地下水への海水準変動の影響
キーワード:放射性廃棄物処分、塩淡境界、海水準変動、地下水
高レベル放射性廃棄物処分については、科学的特性マップが2017年に示され、沿岸から約20 km以内が、輸送面でも好ましい地域とされている。また、寿都町、神恵内村では文献調査報告書が提示されており、海岸線から15km以内の大陸棚が概要調査地区の候補となっている。沿岸部での候補地の選定において、沿岸部の地下水流動・水質は、地下水シナリオを評価するうえで重要である。
沿岸部の地下水の流動・水質は、長期的な海水準変動の影響を受けていると考えられる。海水準変動は、約12万年周期で、約10万年で海退、約2万年で海進を繰り返し、海退時には現海水準より100 m以上海水準が低下すると考えられている。
海水と淡水の密度差に着目し、塩淡境界の位置推定に用いられるGhyben-Herzberg則では、海水準が100m低下すると、塩淡境界は4000m低下する。このため、地下水流動が十分に早ければ、海退によって広範囲が淡水化する。一方で、海進時には海水準が回復するため海水化する。しかし、透水係数の低い岩盤では、海進の2万年未満では海水化が困難な場合がある。例えば、密な砂・シルトの透水係数1×10-8 m/s(≒0.3 m/y)の場合、海進時に海没した際に発生する動水勾配は3%程度(密度勾配)であり、ダルシー流速は0.01m/y程度となる。間隙率30%を仮定すると、実流速は0.03 m/y程度である。このため、海没した数千年という時間オーダーでは、100 m程度しか海水が流入しない。ただし、透水係数がこの10倍の場合には1000m、1/10倍の場合には10m海水が流入する。
このように、沿岸部は海水準変動の影響で、透水係数1×10-7 m/sの場合、現海水に置換、1×10-8 m/s(≒0.3 m/y)の場合、氷期降水が残留する。1×10-9 m/sの場合、数万年のオーダーでは、地下水はほとんど動かないため、化石海水が残留する可能性が高い。
海水準変動は、地質イベントを使ったトレーサー試験とも見なせるため、候補岩体の地下水が現海水、氷期降水、化石海水かは、長期の地下水の安定性や水質変化を考えるうえで非常に重要である。
本研究の一部は、経済産業省からの受託研究「令和4年度高レベル放射性廃棄物等の地層処分に関する技術開発事業(沿岸部処分システム評価確証技術開発)」(JPJ007597)として実施したものである。ここに記して謝意を表します。
沿岸部の地下水の流動・水質は、長期的な海水準変動の影響を受けていると考えられる。海水準変動は、約12万年周期で、約10万年で海退、約2万年で海進を繰り返し、海退時には現海水準より100 m以上海水準が低下すると考えられている。
海水と淡水の密度差に着目し、塩淡境界の位置推定に用いられるGhyben-Herzberg則では、海水準が100m低下すると、塩淡境界は4000m低下する。このため、地下水流動が十分に早ければ、海退によって広範囲が淡水化する。一方で、海進時には海水準が回復するため海水化する。しかし、透水係数の低い岩盤では、海進の2万年未満では海水化が困難な場合がある。例えば、密な砂・シルトの透水係数1×10-8 m/s(≒0.3 m/y)の場合、海進時に海没した際に発生する動水勾配は3%程度(密度勾配)であり、ダルシー流速は0.01m/y程度となる。間隙率30%を仮定すると、実流速は0.03 m/y程度である。このため、海没した数千年という時間オーダーでは、100 m程度しか海水が流入しない。ただし、透水係数がこの10倍の場合には1000m、1/10倍の場合には10m海水が流入する。
このように、沿岸部は海水準変動の影響で、透水係数1×10-7 m/sの場合、現海水に置換、1×10-8 m/s(≒0.3 m/y)の場合、氷期降水が残留する。1×10-9 m/sの場合、数万年のオーダーでは、地下水はほとんど動かないため、化石海水が残留する可能性が高い。
海水準変動は、地質イベントを使ったトレーサー試験とも見なせるため、候補岩体の地下水が現海水、氷期降水、化石海水かは、長期の地下水の安定性や水質変化を考えるうえで非常に重要である。
本研究の一部は、経済産業省からの受託研究「令和4年度高レベル放射性廃棄物等の地層処分に関する技術開発事業(沿岸部処分システム評価確証技術開発)」(JPJ007597)として実施したものである。ここに記して謝意を表します。