16:30 〜 16:45
[HCG21-11] 微細組織解析により明らかとなったspaced stratificationを構成する2タイプの逆級化バンドの特徴

キーワード:多重逆級化構造、トラクションカーペット、機械学習、画像解析
Spaced stratificationは複数枚の逆級化構造を示すバンドから構成される堆積構造であり,traction carpet(の堆積物)としても知られる(Hiscott & Middleton, 1980).Spaced stratificationは深海の混濁流や陸上の火砕流,ハイパーコンセントレイティッド流の粗粒な堆積物中に観察され,高濃度の粒子重力流の存在を示すと考えられてきた(Lowe, 1982; Hiscott, 1994; Sohn, 1997).この堆積構造の特徴と成因の解明は,深海および陸上での重力流の流動様式を明らかにする手掛かりとなる可能性がある.しかし,その形成過程は未解明であり,十分な観察や水槽実験による検証がなされないまま,複数の形成仮説が提唱されている.形成仮説を検証し,議論に決着をつけるためには,spaced stratificationを示す堆積物の特徴を記載することが必要である.したがって,本研究ではCNN(Convolutional Neural Network)による画像解析技術を用いて微細組織を解析することで,spaced stratificationの特徴を明らかにすることを目的とした.
本研究では,西南日本に分布する上部白亜系和泉層群の板東谷層および灘層で観察されるspaced stratificationの特徴を調べた.Spaced stratificationを示す砂岩試料を採取後,古流向と平行に切断し,デスクトップスキャナーを用いて鉛直断面の画像を取得した.高解像度でスキャンした砂岩の断面画像に,畳み込みニューラルネットワーク(CNN)の画像解析技術を適用して,砂粒子の大きさと配列を観察した.本研究では,10cm2を超える大きさの砂岩断面画像について,1ピクセルあたり5 μmの解像度で観察することが可能となった.
砂岩試料の断面画像に含まれる粒子の特徴を用いた多変量解析から,spaced stratificationを構成する逆級化バンドは,特徴の異なる2種類に分類されることが明らかとなった.タイプAバンドは二峰性のインブリケーション角度を示し,粗い粒子(平均0.6 φ)から構成され,バンド内部での局所的な粒径やインブリケーション角度の変動を示した.一方,タイプBバンドは単峰性のインブリケーション角度を示し,細かい粒子(平均1.2 φ)から構成され,バンド内部での局所的な粒径やインブリケーション角度の変化を示さなかった.2種類の逆級化バンドが確認されたことは,spaced stratification には異なるプロセスで形成された,複数の堆積構造が含まれている可能性を示唆する.
2種類のバンドに見られるインブリケーションの詳細な成因は現時点では不明だが,タイプごとの違いは,高濃度な流れの変動を反映している可能性がある.2種類のバンドに共通して観察されたインブリケーション角度は,低濃度な混濁流堆積物やベッドフォームによる堆積物のものと比較して高角(>40°)であった.このような高角なインブリケーション角度を示す堆積物は,粒子同士が頻繁に衝突するような,高濃度な重力流の実験での報告例がある(Taira, 1989).
また,野外調査の結果も,2種類のバンドを含むspaced stratificationは,異なる堆積環境で形成された可能性を示唆している.タイプAバンドを含む砂岩層は,チャネルからあふれ出た堆積物中に観察されており,射流によって形成されたことを示唆する.一方,タイプBバンドを含む砂岩層は,ローブ上の分流チャネル充填堆積物から観察されており,常流による形成を示唆している.したがって,肉眼では同じ構造に見えるspaced stratificationでも,実際には異なる環境や,性質の異なる流れで形成された可能性がある.
本研究では,西南日本に分布する上部白亜系和泉層群の板東谷層および灘層で観察されるspaced stratificationの特徴を調べた.Spaced stratificationを示す砂岩試料を採取後,古流向と平行に切断し,デスクトップスキャナーを用いて鉛直断面の画像を取得した.高解像度でスキャンした砂岩の断面画像に,畳み込みニューラルネットワーク(CNN)の画像解析技術を適用して,砂粒子の大きさと配列を観察した.本研究では,10cm2を超える大きさの砂岩断面画像について,1ピクセルあたり5 μmの解像度で観察することが可能となった.
砂岩試料の断面画像に含まれる粒子の特徴を用いた多変量解析から,spaced stratificationを構成する逆級化バンドは,特徴の異なる2種類に分類されることが明らかとなった.タイプAバンドは二峰性のインブリケーション角度を示し,粗い粒子(平均0.6 φ)から構成され,バンド内部での局所的な粒径やインブリケーション角度の変動を示した.一方,タイプBバンドは単峰性のインブリケーション角度を示し,細かい粒子(平均1.2 φ)から構成され,バンド内部での局所的な粒径やインブリケーション角度の変化を示さなかった.2種類の逆級化バンドが確認されたことは,spaced stratification には異なるプロセスで形成された,複数の堆積構造が含まれている可能性を示唆する.
2種類のバンドに見られるインブリケーションの詳細な成因は現時点では不明だが,タイプごとの違いは,高濃度な流れの変動を反映している可能性がある.2種類のバンドに共通して観察されたインブリケーション角度は,低濃度な混濁流堆積物やベッドフォームによる堆積物のものと比較して高角(>40°)であった.このような高角なインブリケーション角度を示す堆積物は,粒子同士が頻繁に衝突するような,高濃度な重力流の実験での報告例がある(Taira, 1989).
また,野外調査の結果も,2種類のバンドを含むspaced stratificationは,異なる堆積環境で形成された可能性を示唆している.タイプAバンドを含む砂岩層は,チャネルからあふれ出た堆積物中に観察されており,射流によって形成されたことを示唆する.一方,タイプBバンドを含む砂岩層は,ローブ上の分流チャネル充填堆積物から観察されており,常流による形成を示唆している.したがって,肉眼では同じ構造に見えるspaced stratificationでも,実際には異なる環境や,性質の異なる流れで形成された可能性がある.