日本地球惑星科学連合2025年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 H (地球人間圏科学) » H-CG 地球人間圏科学複合領域・一般

[H-CG22] CTBT国際監視制度が拓く地球科学:現状、運用、科学的応用

2025年5月27日(火) 09:00 〜 10:30 104 (幕張メッセ国際会議場)

コンビーナ:Metz Dirk(CTBTO)、遠藤 暁(広島大学 大学院先進理工系科学研究科)、松本 浩幸(国立研究開発法人海洋研究開発機構)、乙津 孝之(一般財団法人 日本気象協会)、座長:古野 朗子(日本原子力研究開発機構)、松本 浩幸(国立研究開発法人海洋研究開発機構)

10:00 〜 10:15

[HCG22-05] 日本NDC-1のNDC準備演習(NPE2024)への参加

*藤井 孝成1野上 麻美1乙津 孝之1本橋 昌志1 (1.一般財団法人 日本気象協会)

キーワード:CTBT、NDC、NDC準備演習(NPE)、地震波形解析

CTBTOはNDC準備演習(NPE;NDC Preparedness Exercise)を定期的に開催している。各国NDCは有志NDC(ドイツ、イタリア等)が設定した演習シナリオ(データを一部加工して仮想のイベントを作成)に対してIMS(International Monitoring System)等の観測点における地震、微気圧振動、水中音波および放射性核種の観測データをそれぞれのNDCの解析実施能力に応じて入手し、解析および評価を行う。
 隔年開催されるNDCワークショップにおいてNPEの全体的なシナリオと演習用模擬データの作成方法が披瀝され、各国NDCは解析結果について検証を行う。NPEを定期的に開催することにより、NDCの解析技術や解析ツール、IDCのデータプロダクトが改善され、またNDCのアナリスト間、各分野の専門家とのコミュニケーションが活性化することが期待されている。
 今回実施されたNPE2024の解析シナリオは、次の通りであった。大西洋のアゾレス諸島の北方にあるアンドランティス(架空の国家)NDCより、疑惑のイベントに関するデータ解析の支援を求める投稿が NDC Forum(NDC関係者用内部サイト)になされ、同国内で運用・管理する4地震観測点の地震波形データと可搬型の観測点2か所における微気圧振動データが公開された。その後IMS の HA10観測点においても当該イベントに由来すると思われるシグナルが確認され、水中音波のデータも公開された。
 さらに、アンドランティスNDCの最初の発表から2か月後、RN33(ドイツ)において 2024年1月27~28日と 2024年2月2日に収集したサンプルとRN63(スウェーデン)において 2024年1月29~31日に収集したサンプルにXe-133の高活性濃度が含まれ、放射性キセノンが地震イベントに伴って発生した可能性があるとの言及があった。
 これらの情報と観測データを基に、各国NDCはイベントの発生源と、当該イベントが放射性核種を放出した可能性があるか否かの解析を実施した。日本NDC-1も当演習に参加し、解析のアプローチや結果について紹介を行う。