日本地球惑星科学連合2025年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 H (地球人間圏科学) » H-CG 地球人間圏科学複合領域・一般

[H-CG23] 文化水文学

2025年5月30日(金) 10:45 〜 12:15 101 (幕張メッセ国際会議場)

コンビーナ:中村 高志(山梨大学大学院・国際流域環境研究センター)、近藤 康久(総合地球環境学研究所)、安原 正也(立正大学地球環境科学部)、座長:中村 高志(山梨大学大学院・国際流域環境研究センター)、近藤 康久(総合地球環境学研究所)


11:15 〜 11:30

[HCG23-03] 次世代とともに考える:カンボジア農村部における家庭での安全な飲料水確保

*伊藤 弥生1、西田 継1宮本 和子1 (1.国立大学法人 山梨大学)

キーワード:公衆衛生、カンボジア、飲料水、行動変容、大腸菌群

カンボジアでは、安全に管理された飲料水を利用できる人口はわずか28%とされ、水道が普及していない農村部では、雨水や公共の池などを飲料水として利用している。本研究では、カンボジアの農村部の家庭で飲料水を得るプロセスや管理状況を明らかにし、家庭で安全な水を得るための方法を検討することを目的に、2022年から水質調査及びインタビュー及び観察などの現地調査を行った。この過程において、住民の主体的な行動を促すため、調査結果を直接フィードバックしたところ、彼らは目に見えない細菌の存在を認識し、問題解決への当事者意識が芽生えてきたことがうかがえた。しかし、家庭環境や多忙さ、個人の価値観による水の安全に対する優先順位の低さなどの理由から、行動変容にまで至らない例もあった。
 一方で、どの家庭でも子どもたちがフィードバックを非常に熱心に聞く姿が印象的であった。そのため、今後は家庭にいる大人に加え、地域の学校の先生や子どもたちなどのより多様な背景をもつ人々と協働しながら、次世代へと繋がる取り組みを展開する予定である。発表当日には、現在計画中の小学生向けの健康教育の実施結果も合わせて報告する。