日本地球惑星科学連合2025年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 H (地球人間圏科学) » H-CG 地球人間圏科学複合領域・一般

[H-CG23] 文化水文学

2025年5月30日(金) 10:45 〜 12:15 101 (幕張メッセ国際会議場)

コンビーナ:中村 高志(山梨大学大学院・国際流域環境研究センター)、近藤 康久(総合地球環境学研究所)、安原 正也(立正大学地球環境科学部)、座長:中村 高志(山梨大学大学院・国際流域環境研究センター)、近藤 康久(総合地球環境学研究所)


11:45 〜 12:00

[HCG23-05] 地域住民の水運用方法の選択に影響する社会的背景と価値観の分析

*西田 継1、望月 祐希2山本 有彩2、伊藤 友里3 (1.山梨大学国際流域環境研究センター、2.山梨大学大学院、3.エム・アール・アイ リサーチアソシエイツ株式会社)

キーワード:コモンズ、自治、水文化、分散システム、内発的動機付け

住民が自治的に水道組合を立ち上げ、給水施設を設置・維持管理する非公営の水道を自営水道と呼ぶ。自営水道は選択の自由度や防災など社会の多元化に貢献すると期待される一方で、既往研究で得られた情報と知見は限定されているため、現在の水運用方法になった経緯、地域の歴史、土地利用、生活誌等について、山梨県東部の中山間地域にある複数の集落で5年間の訪問調査を行った。その結果、他地域への転出者と未婚者が多い地区では、転入(移住)者が自営水道の維持と管理に能動的に関わる事例や、在来住民と転入者等の交流による相互変容に近い事例が観察された。また、豊富な水量や清浄な水質など水源の機能的な価値を積極的に見出している地区では、これを持続させたい意思と行動が内発的動機付けという経験的な価値の創出へつながっている事例も認められた。当日の発表では、自営水道(小さな水)と公営水道(大きな水)が共存する現実的な可能性と、その前進に関わる新たな分散水サービス技術や給排水一体化の重要性についても触れたい。