日本地球惑星科学連合2025年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 H (地球人間圏科学) » H-CG 地球人間圏科学複合領域・一般

[H-CG23] 文化水文学

2025年5月30日(金) 17:15 〜 19:15 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 7・8ホール)

コンビーナ:中村 高志(山梨大学大学院・国際流域環境研究センター)、近藤 康久(総合地球環境学研究所)、安原 正也(立正大学地球環境科学部)


17:15 〜 19:15

[HCG23-P03] 能登半島における地域水源の活用に関する調査結果

*中村 高志1西田 継1亀井 樹1 (1.山梨大学大学院・国際流域環境研究センター)

キーワード:能登半島地震、避難生活、生活用水、地域の水源

本研究は、2024年1月1日に発生した地震により甚大な断水被害を受けた能登半島において、濾過による小規模給水システムの活用を通じた水道の多元化を検討することを目的とした。研究対象地域として、輪島市の三井地区および珠洲市の真浦地区を選定し、沢水・井戸水・湧水などの水を採取して濁度や主要溶存成分を測定した。

三井地区では、山間の第四紀の堆積低地において金気や硬度が著しい地下水が見られたが、第三紀の山間部では良質な湧水や地下水の存在が明らかとなった。一方、珠洲市では震源に近いこともあり、地形が変化するほどの斜面崩壊が多発し、それに伴う表流水の濁りが水利用の課題となっていた。そこで、地域水源の濁度マップを作成し、比較的濁度の低い地点を選定した。

さらに、小型給水システムの安定的な運用が可能な水質の水源を特定し、次に集落との距離やアクセス条件を考慮した水源選定を行った。その結果、運用可能とされた水源は、三井地区および真浦地区のいずれにおいても、水道が普及する以前に集落水道として利用されていた水源と一致していた。このことから、水道の多元化を検討する上で、過去に利用されていた地域水源の活用が、小規模水道の設置において重要な役割を果たすことが確認された。