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[HCG24-P04] 高水温と貧酸素が養殖二枚貝に及ぼす複合影響
キーワード:気候変動、日本海沿岸、七尾湾、トリガイ
気候変動に伴う海水温の上昇は、二枚貝のような遊泳性のない生物についてはその生残に大きな影響を及ぼすと考えられる.本研究で対象とする日本海側の閉鎖性海域である七尾湾の水温上昇率は過去30年間で0.027℃/年となっており、高水温化が二枚貝の生残率に及ぼす直接の影響だけでなく、高水温化に伴う代謝の促進により、溶存酸素濃度の低下(貧酸素化)の影響が増大することが懸念される。先行研究では溶存酸素濃度(DO) 2 mg L-1以下の強い貧酸素が二枚貝に及ぼす影響は調べられているものの、沿岸海域で頻繁に観測されるDO 2-4 mgL-1程度の弱い貧酸素の影響に関する知見は少ない。本研究では、飼育実験およびハザードモデルにより高水温と貧酸素が、近年重要な養殖対象種となっているトリガイの生残率に及ぼす複合影響を明らかにすることを目的とした。
2022-2023年に平均殻長43.2 mmの180個体(大型個体)、平均殻長14.6 mmの240個体(小型個体)を用い、水温(25,28,29,30,31,32℃)、DO(2 mgL-1,4 mgL-1、飽和)を組み合わせた合計17条件下で各4日間のトリガイ飼育実験を実施した。実験により得られた稚貝の生残率に対して殻長・水温・DOが及ぼす影響を、ハザードモデルにより推定した。
ハザードモデルにおいて変数選択を行なった結果、殻長、水温、DOのすべてを含むモデルが推定され、その係数の値から殻長が小さいほど生残率が低いことが示唆された。DO 4 mgL-1程度の弱い貧酸素条件下においては水温が1℃変化するごとに生残率が大きく変化した。またDO条件の違いによらず水温31℃以上では生残率はほぼ0であった。対象海域では7-8月に養殖深度(5-10 m)における水温が30℃を超える高水温が観測される年があるため、水温と溶存酸素濃度のモニタリングによる養殖深度調整が気候変動適応策として重要になると考えられた。
2022-2023年に平均殻長43.2 mmの180個体(大型個体)、平均殻長14.6 mmの240個体(小型個体)を用い、水温(25,28,29,30,31,32℃)、DO(2 mgL-1,4 mgL-1、飽和)を組み合わせた合計17条件下で各4日間のトリガイ飼育実験を実施した。実験により得られた稚貝の生残率に対して殻長・水温・DOが及ぼす影響を、ハザードモデルにより推定した。
ハザードモデルにおいて変数選択を行なった結果、殻長、水温、DOのすべてを含むモデルが推定され、その係数の値から殻長が小さいほど生残率が低いことが示唆された。DO 4 mgL-1程度の弱い貧酸素条件下においては水温が1℃変化するごとに生残率が大きく変化した。またDO条件の違いによらず水温31℃以上では生残率はほぼ0であった。対象海域では7-8月に養殖深度(5-10 m)における水温が30℃を超える高水温が観測される年があるため、水温と溶存酸素濃度のモニタリングによる養殖深度調整が気候変動適応策として重要になると考えられた。