日本地球惑星科学連合2025年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 H (地球人間圏科学) » H-CG 地球人間圏科学複合領域・一般

[H-CG25] 圏外環境における閉鎖生態系と生物システムおよびその応用

2025年5月25日(日) 13:45 〜 15:15 106 (幕張メッセ国際会議場)

コンビーナ:加藤 浩(三重大学 研究基盤推進機構 先端科学研究支援センター)、安部 智子(東京電機大学理工学部)、篠原 正典(帝京科学大学)、座長:篠原 正典(帝京科学大学)、中根 昌克(日本大学)、地子 智浩(一般財団法人 電力中央研究所)、安部 智子(東京電機大学理工学部)、遠藤 良輔(大阪公立大学)

14:32 〜 14:47

[HCG25-04] 閉鎖生態系生命維持システム(CELSS)での植物栄養塩回収

*遠藤 良輔1 (1.大阪公立大学)

キーワード:廃棄物系バイオマス、物質循環、宇宙農業

人類が地球外環境で長期にわたって活動を行うためには、閉鎖生態系生命維持システム(CELSS)の構築が重要となる。その中心となる植物生産プロセスを持続可能とするには、システム内発生の有機性廃棄物からの効率的な栄養塩回収・循環が不可欠である。しかし、限られた空間と資源下で安定した栄養塩供給を実現するには、従来の生態系依存プロセスを高度に制御・管理する必要がある。特に、植物生育に不可欠な窒素、リン、カリウム等の主要栄養塩循環が課題となる。これらは微生物反応を介した有機物分解・植物栄養塩への転換過程を経て植物利用可能となるが、微生物反応での栄養塩ロス、不均衡、反応速度遅延が資源循環効率を低下させる。窒素は脱窒によるシステム外への損失が発生しやすく、リンは不溶性形態に固定されやすい等、栄養塩毎に異なる問題を内包する。本講演では、閉鎖生態系における植物栄養塩循環効率化の課題を、窒素・リン等主要元素の循環特性、微生物プロセス最適化、システム安定性とレジリエンスの視点から議論する。持続可能な資源循環実現に向けた、閉鎖生態系特有の環境要因の影響や、複数栄養塩間の相互作用を踏まえた上での統合的なシステム設計の重要性についても展望する。