日本地球惑星科学連合2025年大会

講演情報

[E] 口頭発表

セッション記号 H (地球人間圏科学) » H-DS 防災地球科学

[H-DS07] 地すべりおよび関連現象

2025年5月30日(金) 09:00 〜 10:30 102 (幕張メッセ国際会議場)

コンビーナ:王 功輝(京都大学防災研究所)、齋藤 仁(名古屋大学 大学院環境学研究科)、千木良 雅弘(公益財団法人 深田地質研究所)、今泉 文寿(静岡大学農学部)、座長:山崎 新太郎(京都大学防災研究所)、Kongming Yan(Kyoto University)

10:00 〜 10:15

[HDS07-05] 高知県,加奈木崩れの発生史

*植木 岳雪1 (1.帝京科学大学教育人間科学部)

キーワード:深層崩壊、発生間隔、沖積層、ボーリング調査、西南日本、後期更新世

四国南東部,高知県の加奈木崩れ(加奈木のつえ)は,江戸時代に発生したとされる大規模深層崩壊である.加奈木崩れは,1707年(宝永4年)の宝永地震により発生したというのが通説であるが(千木良ほか,1998など),植木(2020,2023)は,崩壊堆積物が渓流をせき止めた場所でボーリング調査を行い,ボーリングコアの複数の層準から放射性炭素(14C)年代を求めた.その結果.加奈木崩れの初生年代は約1.8万年前の後期更新世に遡ることがわかった.今回,加奈木崩れの下流の佐喜浜川河口部でボーリング調査を行い,深度5 mまでは河道の礫層,その下位には鬼界ーアカホヤテフラを挟む氾濫原の泥層,貝化石を含む波食台堆積物が見られた.そして,河道の礫層からは1.6-1.9万年前,氾濫原の泥層からは6700年前,波食台堆積物からは7800年前の14C年代が得られた.河道の礫層は古い炭素を含んでおり,江戸時代の崩壊堆積物が移動したものと考えられる.また,7800年前から江戸時代までは崩壊が生じなかったと考えられる.そうすると,加奈木崩れは1万年以上の間隔で発生しているようである.