09:45 〜 10:00
[HDS09-04] GNSSを用いた非日常空間における津波集団避難に関する行動分析
キーワード:GNSS、GIS、津波避難、北海道
1.はじめに
日本政府は東日本大震災の発生を契機に,それまでの津波防災対策を見直し,2011年12月に津波防災地域づくりに関する法律を制定した。この法律では2つのレベルの津波が想定され、さらにハード・ソフト両面の施策を充実させる「多重防御」の防災・減災対策を進める必要性が記載された。
現在、南海トラフ巨大地震に伴う津波災害と合わせて警戒されているのが,北海道東北沿岸部で発生が予測されている日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震に伴う巨大津波である。2022年に北海道が行った被害想定では、最悪のシナリオで死者数14万9千人と算定されている。しかし、早期避難を実施することにより、その被害を72.5%減らすことが可能とされているため、津波浸水域からいかに速く遠ざかるかが防災上重要となる。
2.目的と対象地域
本研究では非日常空間におけるGNSSと避難訓練システムを援用した津波集団避難実験を実施し,避難行動軌跡および映像記録を災害関連地理空間情報と合わせて可視化・分析することを目的とした.
研究対象地域は北海道伊達市および新冠町である.地域住民の多くが沿岸部に居住している.また伊達市は令和4年度観光客入れ込み客数が155.5万人,新冠町が30.0万人と多くの観光客が訪れる地域でもある.
3.実験概要
本実験は4人から5人の学生で構成される4つのグループを作り,実験開始と同時に集団での避難を開始する.2023年に実施した伊達市での実験は,各グループが異なる開始地点からそれぞれ避難を開始した.2024年に実施した新冠町の実験は,同じ開始地点とした.
4. 実験結果
どちらの実験でも,集団は目視による周辺把握を行った.その後,グループによって避難場所決定プロセスが異なった.複数のグループがスマートフォンなどを用いて,Googlemapやハザードマップ等の地理空間情報にアクセスし,避難先を決定した.また,周辺環境から得られた情報やそれまでの知識・経験に頼る行動もみられた.こうした避難場所決定プロセスの違いにより,集団の避難先が異なる結果が得られた.また思い込みにより避難が遅れ,制限時間内に避難先にたどり着けないグループや,状況次第で浸水に巻き込まれるグループなどが存在した.
こうした非日常空間における避難遅れなどを回避するため,防災リテラシーの向上が重要となると考えられる.また今後は防災リテラシーの向上のための施策,コンテンツ開発なども必要となる.
日本政府は東日本大震災の発生を契機に,それまでの津波防災対策を見直し,2011年12月に津波防災地域づくりに関する法律を制定した。この法律では2つのレベルの津波が想定され、さらにハード・ソフト両面の施策を充実させる「多重防御」の防災・減災対策を進める必要性が記載された。
現在、南海トラフ巨大地震に伴う津波災害と合わせて警戒されているのが,北海道東北沿岸部で発生が予測されている日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震に伴う巨大津波である。2022年に北海道が行った被害想定では、最悪のシナリオで死者数14万9千人と算定されている。しかし、早期避難を実施することにより、その被害を72.5%減らすことが可能とされているため、津波浸水域からいかに速く遠ざかるかが防災上重要となる。
2.目的と対象地域
本研究では非日常空間におけるGNSSと避難訓練システムを援用した津波集団避難実験を実施し,避難行動軌跡および映像記録を災害関連地理空間情報と合わせて可視化・分析することを目的とした.
研究対象地域は北海道伊達市および新冠町である.地域住民の多くが沿岸部に居住している.また伊達市は令和4年度観光客入れ込み客数が155.5万人,新冠町が30.0万人と多くの観光客が訪れる地域でもある.
3.実験概要
本実験は4人から5人の学生で構成される4つのグループを作り,実験開始と同時に集団での避難を開始する.2023年に実施した伊達市での実験は,各グループが異なる開始地点からそれぞれ避難を開始した.2024年に実施した新冠町の実験は,同じ開始地点とした.
4. 実験結果
どちらの実験でも,集団は目視による周辺把握を行った.その後,グループによって避難場所決定プロセスが異なった.複数のグループがスマートフォンなどを用いて,Googlemapやハザードマップ等の地理空間情報にアクセスし,避難先を決定した.また,周辺環境から得られた情報やそれまでの知識・経験に頼る行動もみられた.こうした避難場所決定プロセスの違いにより,集団の避難先が異なる結果が得られた.また思い込みにより避難が遅れ,制限時間内に避難先にたどり着けないグループや,状況次第で浸水に巻き込まれるグループなどが存在した.
こうした非日常空間における避難遅れなどを回避するため,防災リテラシーの向上が重要となると考えられる.また今後は防災リテラシーの向上のための施策,コンテンツ開発なども必要となる.