14:00 〜 14:15
[HDS10-02] 2020年アラスカサンドポイント地震に伴う非地震性津波の初期海面変動

キーワード:アリューシャン海溝、津波インバージョン解析、非地震性津波
アラスカ半島沖のアリューシャン海溝では,太平洋プレートが海溝軸にほぼ直交方向に年間約65mmの速度で北米プレ―トの下に沈み込んでいる.この沈み込みによって,過去に1938年にM8.6,1946年にM8.6,1964年にM9.2の地震が発生した.1946年の地震では,巨大な津波を引き起こし,沿岸で約40mの遡上高を記録した.この津波は,地震によって引き起こされた海底地すべりによる増幅の可能性が高いとされている.1938年と1946年の震源域の間の地域は,20世紀中に顕著な地震が発生していなかったため,地震空白域として認識されていた.その地震空白域周辺で,2020年と2021年にM7.6以上の地震が3回発生した.特に2回目の地震では,マグニチュードから予測される以上に大きな津波が発生し,断層運動以外の津波波源が関与している可能性が示唆されていた.
そこで,本研究ではM7.6の2020年10月の地震(アラスカサンドポイント地震)で観測された津波について,津波インバージョン解析から,断層運動に関連しない非地震性成分の津波の初期海面変位を推定した.
非地震性津波と地震性津波が同時に発生したと仮定したインバージョン解析では,現実的な初期海面変位を得られなかった.一方で,非地震性津波の発生に5分の遅れがあると仮定した場合,陸側に沈降し,海溝側で隆起する単純な双極パターンの初期海面変位が推定された.
海底地すべりの規模と海面変位間の経験式を用いて推定された初期海面変位に必要な海底地すべりの規模を見積もったところ,厚さ約500m、長さ約8.0km、幅約60km、体積約120km³の大規模な海底地すべりが必要であることがわかった.いくつかの研究によれば,アリューシャン海溝では過去の津波が海底地すべりによって増幅されたとされている.このことから,2020年アラスカサンドポイント地震もまた海底地すべりを引き起こし,予想外に大きな津波を発生させたと考えても矛盾しない.いずれにせよ,1946年や2020年の地震で経験したように,この地域では地震で引き起こされる海底地すべりは広範囲に発生している可能性がある.この事実に十分留意し,津波災害の防止に努めるべきである.
そこで,本研究ではM7.6の2020年10月の地震(アラスカサンドポイント地震)で観測された津波について,津波インバージョン解析から,断層運動に関連しない非地震性成分の津波の初期海面変位を推定した.
非地震性津波と地震性津波が同時に発生したと仮定したインバージョン解析では,現実的な初期海面変位を得られなかった.一方で,非地震性津波の発生に5分の遅れがあると仮定した場合,陸側に沈降し,海溝側で隆起する単純な双極パターンの初期海面変位が推定された.
海底地すべりの規模と海面変位間の経験式を用いて推定された初期海面変位に必要な海底地すべりの規模を見積もったところ,厚さ約500m、長さ約8.0km、幅約60km、体積約120km³の大規模な海底地すべりが必要であることがわかった.いくつかの研究によれば,アリューシャン海溝では過去の津波が海底地すべりによって増幅されたとされている.このことから,2020年アラスカサンドポイント地震もまた海底地すべりを引き起こし,予想外に大きな津波を発生させたと考えても矛盾しない.いずれにせよ,1946年や2020年の地震で経験したように,この地域では地震で引き起こされる海底地すべりは広範囲に発生している可能性がある.この事実に十分留意し,津波災害の防止に努めるべきである.