16:45 〜 17:00
[HDS10-12] 日本海でおこる津波の伝播特性の解明
キーワード:津波、日本海、海底地形、波の分散性
日本海にて発生する津波は、周期が短い、海底地形の凹凸に伴う屈折効果が大きい、遠隔地でも比較的高い波高が観測されることがある、など太平洋側の津波とは異なる特性を持つ。本研究ではこのような日本海特有の津波の遠距離伝播過程の解明を目的として、2024年能登半島地震、1993年北海道南西沖地震、1983年日本海中部地震による津波を対象とした波線追跡、並びに日本海沿岸各地の潮位データの解析を行った。本研究で行った波線追跡の特徴としては、短周期の津波が水深の深い海域を伝播する日本海特有の条件を考慮し、浅水波近似によらない分散性を考慮した波速を用いている点、一般的な数値シミュレーションでは検出が難しい津波の経路ごとの走時を解析している点などが挙げられる。
比較的高い波高がいずれの地震でも観測された韓国東海岸を対象に予備解析を行ったところ、波線追跡から推定された津波第一波の到達時刻は観測値と良く合っており、北緯38.5度付近で最も早く、南へ向かうほど遅くなるなど、現地の潮位で観測された傾向が捉えられていた。そして計算に使用する波速から浅水波近似の制約を外すことで、高い波高に対応する韓国東海岸での波線集中域が南方に広がり、観測結果により適合することが明らかになった。これらの結果から、韓国東海岸において南方ほど津波の到達が遅れる現象は、従来から指摘されているエッジ波伝播以外にも日本海西部の海底地形の配置が大きく影響していたことが示唆された。
さらに地震ごとの波線分布を比較したところ、日本海で発生する地震津波の遠方への伝播の様子は、海底地形の南北差のために震源が北緯40度を境に南北どちらに位置するかで大きく異なることが明らかになった。例えば、震源が南方に位置する能登半島地震の場合、韓国東海岸に波線が集中する傾向こそ北方で生じた津波と類似するものの、波線の大部分は大和堆の南側を伝わり大和堆によるレンズ効果の影響が小さい、韓国沿岸への津波到達時間が遅い、など津波伝播の過程は震源が北方に位置する場合とは大きく異なっていた。
以上の結果から、日本海の津波の予測に際しては、地形条件や津波周期などのために、波の分散性や震源の南北位置など、太平洋側の津波とは異なる要素も考慮する必要があることが明らかになった。発表時には、数値シミュレーション結果との比較も示す予定である。
比較的高い波高がいずれの地震でも観測された韓国東海岸を対象に予備解析を行ったところ、波線追跡から推定された津波第一波の到達時刻は観測値と良く合っており、北緯38.5度付近で最も早く、南へ向かうほど遅くなるなど、現地の潮位で観測された傾向が捉えられていた。そして計算に使用する波速から浅水波近似の制約を外すことで、高い波高に対応する韓国東海岸での波線集中域が南方に広がり、観測結果により適合することが明らかになった。これらの結果から、韓国東海岸において南方ほど津波の到達が遅れる現象は、従来から指摘されているエッジ波伝播以外にも日本海西部の海底地形の配置が大きく影響していたことが示唆された。
さらに地震ごとの波線分布を比較したところ、日本海で発生する地震津波の遠方への伝播の様子は、海底地形の南北差のために震源が北緯40度を境に南北どちらに位置するかで大きく異なることが明らかになった。例えば、震源が南方に位置する能登半島地震の場合、韓国東海岸に波線が集中する傾向こそ北方で生じた津波と類似するものの、波線の大部分は大和堆の南側を伝わり大和堆によるレンズ効果の影響が小さい、韓国沿岸への津波到達時間が遅い、など津波伝播の過程は震源が北方に位置する場合とは大きく異なっていた。
以上の結果から、日本海の津波の予測に際しては、地形条件や津波周期などのために、波の分散性や震源の南北位置など、太平洋側の津波とは異なる要素も考慮する必要があることが明らかになった。発表時には、数値シミュレーション結果との比較も示す予定である。