日本地球惑星科学連合2025年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 H (地球人間圏科学) » H-DS 防災地球科学

[H-DS10] 津波とその予測

2025年5月30日(金) 17:15 〜 19:15 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 7・8ホール)

コンビーナ:馬場 俊孝(徳島大学大学院産業理工学研究部)、対馬 弘晃(気象庁気象研究所)

17:15 〜 19:15

[HDS10-P07] 北海道当縁湿原における津波の浸水範囲考察

*伊尾木 圭衣1澤井 祐紀1行谷 佑一1松本 弾1谷川 晃一朗1、嶋田 侑眞1 (1.産業技術総合研究所)

キーワード:津波、津波堆積物、巨大地震、北海道、千島海溝

千島海溝南部はM8クラスのプレート境界型地震が繰り返し発生する場所である.また地質記録の研究から,M8クラスの巨大地震による津波より,大きな津波が繰り返し発生してきたことが明らかにされている.北海道東部太平洋沿岸地域では,先史時代に堆積した津波堆積物が報告されており,最新の巨大津波は17世紀,その一つ前のものは13世紀頃に発生したと考えられている (e.g., Nanayama et al., 2003).本研究では17世紀および13世紀頃に発生した地震の規模評価のため,北海道十勝地方の当縁湿原において津波堆積物の分布と計算水範囲を比較し,繰り返し発生する巨大地震の発生メカニズムの多様性について考察した.
 17世紀と13世紀頃の津波堆積物の分布傾向が異なることは,先行研究によって指摘されている.例えば,北海道十勝地方の生花苗沼では,13世紀頃の津波堆積物のさらに内陸で17世紀頃の津波堆積物が報告されている (七山ほか,2002).
 当縁湿原でこれらの津波による浸水範囲を把握するために,津波堆積物調査を行った.また津波堆積物の分布状況を再現するため浸水計算を行い,津波堆積物の分布範囲と比較した.Satake et al. (2008) やIoki and Tanioka (2016) の先行研究では,17世紀地震の波源は,根室セグメントより十勝セグメントの方がすべり量が大きい特徴を持つ.一方,浸水計算結果より,13世紀頃の地震の波源では,十勝セグメントより根室セグメントのすべり量を大きくすることで,津波堆積物の分布を説明できることがわかった.