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[HDS10-P12] 地震断層運動から発生する気圧波を用いた津波波源インバージョン
キーワード:津波、逆解析、気圧波、ラム波、ジェット気流
トンガ火山爆発(2022年1月15日)による気圧波津波から3年が経過した.我々は,地震起源の地殻変動から発生する気圧波を微気圧計で観測し,波源域での初期水位分布を推定する逆解析を用いた津波予測の研究を行っている.地震波による震源過程解析では,震源時間関数と滑り速度との2種類の物理量を求めることによってすべり量が得られる.そしてすべり量から海底の変位が求められて,津波の初期水位分布が得られる.しかし,大気中を伝搬する気圧波のうち,Lamb波は津波波源の初期水位に強く関係を持ち,海面の隆起速度(Rise velocity)の影響を受け難い性質が有る事が分かった.つまり気圧波を用いた逆解析では,1種類の物理量だけを求めるため解の収束が良く,より少ない観測点で解が得られる利点が有る.もう一つの利点は,より短い観測時間で精度良く解が得られる事である.それは,気圧波が音速の速さで直線的に伝搬するのに対し,津波は浅海で速度が落ち,また,屈折するために海岸までの平均速度は音速の約半分程度である.そのため,たとえ微気圧計が陸上だけに設置されていても,沖合に設置された海底津波計よりも,早く必要なデータ量を得ることができる.我々の気圧波逆解析の結果では,観測データの時間長が5分程度であっても,海底津波計による解析結果より良い精度で,波源域での初期水位分布が求められている.今回は,以上の結果に加えて偏西風等の自然ノイズの影響を考慮した大気モデルによって,より実用レベルを目指した気圧波逆解析の結果を紹介する.