09:30 〜 09:45
[HDS11-02] 時系列干渉SAR画像と航空レーザ測量データで確認される斜面変動の比較:身延山地周辺の事例
キーワード:地すべり、ALOS-2、2時期DEM差分解析
航空レーザ測量データ(以下「LPデータ」)およびSAR衛星を活用した差分干渉SAR(以下「InSAR」)は、地すべり等に伴う斜面変動を検出するうえで有用な手法である(八木ほか 2024, Usami et al. 2024, 山崎 2025)。しかし、これらの技術による斜面変動の検出は、それぞれの技術で検出しやすい代表例を対象にしたものがほとんどであり、LPデータあるいはInSARで、どのような斜面変動が検出でき、どのような斜面変動は検出しにくいのか、という観点からの検討が必要ある。
以上のことから本研究では、複数時期のLPデータが整備されている身延山地周辺(図1)を対象に、国土地理院が公開した時系列InSAR画像(石本ほか 2024)と、LPデータとの比較から、それぞれの技術で検出可能な斜面変動の特徴を分析した。
2025年2月時点では、2018年と2022年に取得されたLPデータの標高変化と時系列InSAR画像を比較した。小崖などのザギング地形がみられる対象斜面A(北西向き)では、南行軌道右向きの時系列InSAR画像で衛星から遠ざかる変動が確認されたが、LPデータでは顕著な標高の変化は確認できない(図2)。時系列InSAR画像から推定される斜面変動速度は衛星から遠ざかる方向に0.9 cm/yrであり、LPデータの取得期間とLPデータから作成した数値標高モデルの誤差が40~60 cmであることを踏まえれば(佐藤ほか 2004)、このような微小な変動を捉えるのはInSARが得意とする領域だと考えられる。
航空写真から明瞭な崩壊地形が確認できる対象斜面B(東向き)では、LPデータで崩壊地の上部斜面が落ち込むような変動を捉えたが、北行軌道右向きの時系列InSAR画像では画像全体が同様の色で塗られていて、この変動は判別できない(図3)。この変動は約27,000平方メートルで、InSARの1画素が約8,100平方メートル(90 m四方)でマルチルックされていることを踏まえると、局所的な変動が空間的に平滑化されてしまった可能性があり、このような局所的な変動を捉えるのはLPデータが得意とする領域だと考えられる。
当日の発表では、より長期間のLPデータなどを加えた解析結果についても報告する予定である。
謝辞
LPデータは国土交通省中部地方整備局より提供して頂きました。国土地理院の時系列InSAR画像は衛星SAR地盤変動測量成果ダウンロードサービスから閲覧しました。
引用文献
石本正芳ほか(2024)国土地理院時報, https://doi.org/10.57499/JOURNAL_137_03
佐藤 浩ほか(2004)写真測量とリモートセンシング, https://doi.org/10.4287/jsprs.43.4_13
Usami et al.(2024)Remote Sens., https://doi.org/10.3390/rs16152687
八木浩司ほか(2024)日本地すべり学会誌, https://doi.org/10.3313/jls.61.77
山崎新太郎(2025)日本地すべり学会誌, https://doi.org/10.3313/jls.62.20
以上のことから本研究では、複数時期のLPデータが整備されている身延山地周辺(図1)を対象に、国土地理院が公開した時系列InSAR画像(石本ほか 2024)と、LPデータとの比較から、それぞれの技術で検出可能な斜面変動の特徴を分析した。
2025年2月時点では、2018年と2022年に取得されたLPデータの標高変化と時系列InSAR画像を比較した。小崖などのザギング地形がみられる対象斜面A(北西向き)では、南行軌道右向きの時系列InSAR画像で衛星から遠ざかる変動が確認されたが、LPデータでは顕著な標高の変化は確認できない(図2)。時系列InSAR画像から推定される斜面変動速度は衛星から遠ざかる方向に0.9 cm/yrであり、LPデータの取得期間とLPデータから作成した数値標高モデルの誤差が40~60 cmであることを踏まえれば(佐藤ほか 2004)、このような微小な変動を捉えるのはInSARが得意とする領域だと考えられる。
航空写真から明瞭な崩壊地形が確認できる対象斜面B(東向き)では、LPデータで崩壊地の上部斜面が落ち込むような変動を捉えたが、北行軌道右向きの時系列InSAR画像では画像全体が同様の色で塗られていて、この変動は判別できない(図3)。この変動は約27,000平方メートルで、InSARの1画素が約8,100平方メートル(90 m四方)でマルチルックされていることを踏まえると、局所的な変動が空間的に平滑化されてしまった可能性があり、このような局所的な変動を捉えるのはLPデータが得意とする領域だと考えられる。
当日の発表では、より長期間のLPデータなどを加えた解析結果についても報告する予定である。
謝辞
LPデータは国土交通省中部地方整備局より提供して頂きました。国土地理院の時系列InSAR画像は衛星SAR地盤変動測量成果ダウンロードサービスから閲覧しました。
引用文献
石本正芳ほか(2024)国土地理院時報, https://doi.org/10.57499/JOURNAL_137_03
佐藤 浩ほか(2004)写真測量とリモートセンシング, https://doi.org/10.4287/jsprs.43.4_13
Usami et al.(2024)Remote Sens., https://doi.org/10.3390/rs16152687
八木浩司ほか(2024)日本地すべり学会誌, https://doi.org/10.3313/jls.61.77
山崎新太郎(2025)日本地すべり学会誌, https://doi.org/10.3313/jls.62.20
