09:45 〜 10:00
[HDS11-03] 干渉SARによる岩木山西側斜面の変位
キーワード:岩木山、干渉SAR、地すべり
岩木山は,青森県西部,津軽平野の西に位置する活火山である.岩木山の西側斜面には,約20万〜3万年前の第2期に噴出した溶岩流などが分布するが(佐々木,2015など),国土地理院が全国を対象に実施しているALOS-2/PALSAR-2データの干渉SAR時系列解析の結果(Descending右観測)において,衛星から遠ざかる変位(およそ1 cm/yr)が報告されている(国土地理院,2021).岩木山は過去に山体崩壊を起こしており,このような山地斜面の挙動は,十分にモニタリングされる必要がある.本研究では,岩木山西側斜面における挙動とその原因・メカニズムを明らかにすることを目的とし,ALOS-2/PALSAR-2データを用いた干渉SAR解析を実施した.本発表では,解析の結果から明らかとなった顕著な変位の発生時期と,その原因や地形との対応などについて考察を行った結果を報告する.
解析の結果,岩木山西側斜面で発生している地表面変位は,2022年の夏ごろを挟むペアで顕著であり,それ以外の期間では殆ど観測されないことがわかった.また,この変位は,Descending右観測のペアでは衛星から遠ざかる方向,Ascending右観測のペアでは衛星に近づく方向に変位しており,その変位量はどちらも数cm程度であった.したがって,この変位は,西方向(斜面傾斜方向)への変位であり,地すべり性の変位の存在を示唆する.さらに,2020-2023年の3年間のペアに対して2.5次元解析を行なった結果,変位量として,西向きに約5〜7 cm,沈降量1〜2 cmが推定された.2022年の8月には,近隣の河川が氾濫する大雨があり,ALOS-2の観測期間である2014年以降では最大の雨量を記録している.2022年の夏を挟むペアにて,この変位が観測されたことは,異常降雨が地すべり性の変位を誘発したことを示唆する.
岩木山の西側斜面には,活断層研究会(1991)により,追子森断層と呼ばれる東西走向南落ちの断層の存在が示唆されている.本研究で,検出された変位の北端部は,この追子森断層と考えられる地表のリニアメントによく対応し,同断層が斜面性の変位に伴い形成された重力断層であることを示唆する.また,地形判読の結果,変位ブロック内に,いくつかの亀裂状の地形も認められており,地すべりの進行に伴いブロック内で変形が生じている様子を見ているものと示唆される.
なお,Doke et al.(2024)において,箱根火山を対象に行った方法を適用し,地すべり変位箇所地下における変形集中箇所(剛性率が周囲よりも低い箇所)の検出を現在試みている.発表当日はその結果も合わせて報告する予定である.
解析の結果,岩木山西側斜面で発生している地表面変位は,2022年の夏ごろを挟むペアで顕著であり,それ以外の期間では殆ど観測されないことがわかった.また,この変位は,Descending右観測のペアでは衛星から遠ざかる方向,Ascending右観測のペアでは衛星に近づく方向に変位しており,その変位量はどちらも数cm程度であった.したがって,この変位は,西方向(斜面傾斜方向)への変位であり,地すべり性の変位の存在を示唆する.さらに,2020-2023年の3年間のペアに対して2.5次元解析を行なった結果,変位量として,西向きに約5〜7 cm,沈降量1〜2 cmが推定された.2022年の8月には,近隣の河川が氾濫する大雨があり,ALOS-2の観測期間である2014年以降では最大の雨量を記録している.2022年の夏を挟むペアにて,この変位が観測されたことは,異常降雨が地すべり性の変位を誘発したことを示唆する.
岩木山の西側斜面には,活断層研究会(1991)により,追子森断層と呼ばれる東西走向南落ちの断層の存在が示唆されている.本研究で,検出された変位の北端部は,この追子森断層と考えられる地表のリニアメントによく対応し,同断層が斜面性の変位に伴い形成された重力断層であることを示唆する.また,地形判読の結果,変位ブロック内に,いくつかの亀裂状の地形も認められており,地すべりの進行に伴いブロック内で変形が生じている様子を見ているものと示唆される.
なお,Doke et al.(2024)において,箱根火山を対象に行った方法を適用し,地すべり変位箇所地下における変形集中箇所(剛性率が周囲よりも低い箇所)の検出を現在試みている.発表当日はその結果も合わせて報告する予定である.
