11:15 〜 11:30
[HDS11-08] 琵琶湖の水中遺跡の調査から過去の壊滅的地震地盤災害を解明する取り組み

1.はじめに
琵琶湖沿岸には90-100箇所の水没集落伝承地がある(林ほか2012)。一方で、その水没の理由に関しては不明なものが多い。国土交通省資料(淀川水系流域委員会, 2007)によれば、過去数百年間程度の琵琶湖の水位変動はおそらく小さく、遺跡水没との関係は薄い。衛星観測で観測可能な最近6年間程度の地盤変動の観測データを検討する限り、緩慢に発生する地盤沈下との関係も薄いと思われる。一方、林ほか(2012)は、琵琶湖の水中遺跡のいくつかは地震による突発的な地盤沈下や崩壊の痕跡である可能性を示唆している。
本研究では、これらの遺跡の形成要因を地震災害との関係から分析する。琵琶湖周辺は活断層が多く、過去にも大規模な地震が発生した記録がある(地震本部)。地震による地盤沈下、液状化、地すべりなどが沿岸地形の変化を引き起こし、水中遺跡の形成に寄与した可能性がある。この仮説を立証するため、水中音響調査技術や物理探査技術などを活用して、地震災害と水中遺跡との関係を明らかにすることが目的である。
さらに、世界の類似事例を収集し、比較検討することで、共通する沿岸域の壊滅的地盤災害を理解し、将来的な地震災害リスクの評価にも寄与することを目指している。
2.研究方法と対象
本研究では物理探査技術と地盤調査技術、ダイビング,水中ドローン等によるの直接観察に加え、考古学者の協力による考古学分析を併用した総合的なアプローチを採用する。物理探査では、サブボトムプロファイラ、サイドスキャンソナー、マルチビーム音響測深と共に、水底の表面波探査を実施し、湖底の地形や地層構造を詳細に把握する。沿岸域陸上ではボーリング調査を実施する予定である。
調査区域は、琵琶湖北湖東岸の米原市尚江千軒遺跡伝承地と長浜市下坂浜千軒遺跡伝承地を選定した。尚江千軒遺跡は1325年の地震と関連があるとされている(林ほか2012)。また、下坂浜千軒遺跡は1586年の天正地震と関連があるとされている(林ほか2012)。いずれも過去に調査がされ、大規模な地盤変動を思わせる異常な水底地形が確認されている。一方で既に得られているデータにはメカニズムの解明に当たり、検討の余地が残されている。
3.これまでの結果
これまでの調査では、尚江千軒において水中音響調査を実施し、以下の結果が得られた。 同地域の一部では周囲に比べて、遠浅であり、幅約 500 m に及ぶ舌状に伸びている地形が確認された。 サブボトムプロファイラでは水底下 3-6 m に不規則な表面を持つ強い反射が確認された。
4.おわりに
本研究の発表時には他の世界の事例とも比較した結果も提示して議論を行いたい。
琵琶湖沿岸には90-100箇所の水没集落伝承地がある(林ほか2012)。一方で、その水没の理由に関しては不明なものが多い。国土交通省資料(淀川水系流域委員会, 2007)によれば、過去数百年間程度の琵琶湖の水位変動はおそらく小さく、遺跡水没との関係は薄い。衛星観測で観測可能な最近6年間程度の地盤変動の観測データを検討する限り、緩慢に発生する地盤沈下との関係も薄いと思われる。一方、林ほか(2012)は、琵琶湖の水中遺跡のいくつかは地震による突発的な地盤沈下や崩壊の痕跡である可能性を示唆している。
本研究では、これらの遺跡の形成要因を地震災害との関係から分析する。琵琶湖周辺は活断層が多く、過去にも大規模な地震が発生した記録がある(地震本部)。地震による地盤沈下、液状化、地すべりなどが沿岸地形の変化を引き起こし、水中遺跡の形成に寄与した可能性がある。この仮説を立証するため、水中音響調査技術や物理探査技術などを活用して、地震災害と水中遺跡との関係を明らかにすることが目的である。
さらに、世界の類似事例を収集し、比較検討することで、共通する沿岸域の壊滅的地盤災害を理解し、将来的な地震災害リスクの評価にも寄与することを目指している。
2.研究方法と対象
本研究では物理探査技術と地盤調査技術、ダイビング,水中ドローン等によるの直接観察に加え、考古学者の協力による考古学分析を併用した総合的なアプローチを採用する。物理探査では、サブボトムプロファイラ、サイドスキャンソナー、マルチビーム音響測深と共に、水底の表面波探査を実施し、湖底の地形や地層構造を詳細に把握する。沿岸域陸上ではボーリング調査を実施する予定である。
調査区域は、琵琶湖北湖東岸の米原市尚江千軒遺跡伝承地と長浜市下坂浜千軒遺跡伝承地を選定した。尚江千軒遺跡は1325年の地震と関連があるとされている(林ほか2012)。また、下坂浜千軒遺跡は1586年の天正地震と関連があるとされている(林ほか2012)。いずれも過去に調査がされ、大規模な地盤変動を思わせる異常な水底地形が確認されている。一方で既に得られているデータにはメカニズムの解明に当たり、検討の余地が残されている。
3.これまでの結果
これまでの調査では、尚江千軒において水中音響調査を実施し、以下の結果が得られた。 同地域の一部では周囲に比べて、遠浅であり、幅約 500 m に及ぶ舌状に伸びている地形が確認された。 サブボトムプロファイラでは水底下 3-6 m に不規則な表面を持つ強い反射が確認された。
4.おわりに
本研究の発表時には他の世界の事例とも比較した結果も提示して議論を行いたい。
