日本地球惑星科学連合2025年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 H (地球人間圏科学) » H-GG 地理学

[H-GG03] ⾃然資源・環境に関する地球科学と社会科学の対話

2025年5月29日(木) 13:45 〜 15:15 102 (幕張メッセ国際会議場)

コンビーナ:古市 剛久(森林総合研究所)、上田 元(一橋大学・大学院社会学研究科)、大月 義徳(東北大学大学院理学研究科地学専攻環境地理学講座)、小田 隆史(東京大学)、座長:古市 剛久(森林総合研究所)、小田 隆史(東京大学)


14:30 〜 14:45

[HGG03-04] 衛星画像判読による地形区分と現地状況-スリランカのラトナプラ県中心部の例

*黒木 貴一1、後藤 健介2、WA Jayasooriya3 (1.関西大学文学部、2.大阪教育大学教育学部、3.Health Service Rathnapura, Ministry of Health, Government of Sri Lanka)

キーワード:衛星画像、地形区分、スリランカ、土地利用

本研究は,衛星画像による地形判読方法を考案し,地形を現地確認し,さらに地形と土地利用との関係を明らかにした。スリランカ南部のラトナプラ県中心部を研究対象地域とした。地質は,先カンブリア時代の堆積岩起源の変成岩で,片麻岩である。そこは山地と低地に大別され,低地は数10m,山地は500m前後の標高を持つ。WorldView-3による前方視画像と後方視画像の1対のステレオ画像からアナグリフを作成した。アナグリフを実体視して地形を判読した。その結果,低地に,河道,旧河道,自然堤防,後背湿地,段丘を区分できた。山地に,土塊,崖錐,高位丘陵,低位丘陵を区分できた。
スリランカはゴンドワナの一部で古い地質を持つにも拘らず,山地に土塊と崖錐を生じさせた多くの斜面崩壊が分布する。低位丘陵と段丘と自然堤防に宅地が分布し,後背湿地や旧河道に水田が広がる。後背湿地には,居住規制があり,多くの宝石鉱山が見られる。高位丘陵と崖錐と土塊には森林やゴム園が多い。段丘の高さに近い崖錐や土塊の縁辺部にも宅地が見られる。ラトナプラの市街地は主に段丘上に広がっている。そして通常洪水位は自然堤防の高さまで,異常洪水位は段丘の高さまで達することを確認した。このように衛星画像からの地形区分は,現地の地形条件をよく表している。その地形条件に土地利用や住宅を柔軟に適応させることで,住民は洪水リスクを低減させている。
スリランカ保健省のスタッフ皆様に,現地調査で多くの支援を得たことに,深く感謝している。