17:15 〜 19:15
[HGG03-P02] 都市における人間-自然関係を考える -都市緑地としての社叢をめぐって-

キーワード:社叢、都市緑地、生物文化多様性、人間-自然関係
生物多様性の保全は世界的な重要課題として共通認識されている。しかし、その保全に対する考え方には様々な立場があり、また時代ごとに変化が見られる。これまでは、人間による手付かずの自然の保護という図式が主流であった。しかし、人間活動の影響は地球全土に及んでいるとする人新世(Anthropocene)という概念の登場に伴ってこうした二元論的な議論が見直されるようになり、その結果近年は人間の介入を前提とした自然環境の保全のあり方をめぐる議論が進められている。こうした議論のもとでは、自然環境だけでなくその土地で育まれてきた物質的・精神的な文化にも合わせて目を向けることが必要だとされており、いわゆる伝統知や生物文化多様性という概念の議論とともに、世界各地での実証的な研究の蓄積も進んでいる。
一方、もともとこれらの議論は先住民の文化保護という文脈から提唱されたという背景や、注目に値する文化が残されているのは農村部が多いと考えられてきたことなどから農村部への関心が高く、対して都市部を対象とした議論はまだ十分に行われていない。しかし、人流が農村から都市へと向かう都市化の傾向は続いていることや、生物多様性に対して都市がもたらすインパクトは小さくないことから、都市部における人間-自然関係の議論を概念的・実証的両方の次元で進めていくことが求められる。
こうした関心のもと、本発表では、都市における人間-自然関係を考えるための一助となることを期待し、都市緑地の一形態としての社叢(しゃそう)を取り上げる。社叢とは一般的に神社境内の植生空間を指す言葉である。宗教的な信仰や精神的な営みと結びついた空間であることが特徴であり、それゆえに神社周辺で市街化が進む中でも地域の人々の手によって守られてきた社叢も多い。このように、最近行われた緑化により創出された他の緑地と異なり、いわゆる残存緑地としての性格を有する社叢は、文化的・自然的な価値が再評価されつつある。一方で、都市部の神社では、地域住民の流動性の高まりや信仰心の低下などによって社叢の維持管理を行うのに十分な資金源や人員の確保が困難となり、社叢の伐採を余儀なくされるケースが相次いでいる。 本発表ではこうした状況をGISを用いて定量的把握した調査について報告し、それを踏まえて都市の人間-自然関係に対する議論を行う。
一方、もともとこれらの議論は先住民の文化保護という文脈から提唱されたという背景や、注目に値する文化が残されているのは農村部が多いと考えられてきたことなどから農村部への関心が高く、対して都市部を対象とした議論はまだ十分に行われていない。しかし、人流が農村から都市へと向かう都市化の傾向は続いていることや、生物多様性に対して都市がもたらすインパクトは小さくないことから、都市部における人間-自然関係の議論を概念的・実証的両方の次元で進めていくことが求められる。
こうした関心のもと、本発表では、都市における人間-自然関係を考えるための一助となることを期待し、都市緑地の一形態としての社叢(しゃそう)を取り上げる。社叢とは一般的に神社境内の植生空間を指す言葉である。宗教的な信仰や精神的な営みと結びついた空間であることが特徴であり、それゆえに神社周辺で市街化が進む中でも地域の人々の手によって守られてきた社叢も多い。このように、最近行われた緑化により創出された他の緑地と異なり、いわゆる残存緑地としての性格を有する社叢は、文化的・自然的な価値が再評価されつつある。一方で、都市部の神社では、地域住民の流動性の高まりや信仰心の低下などによって社叢の維持管理を行うのに十分な資金源や人員の確保が困難となり、社叢の伐採を余儀なくされるケースが相次いでいる。 本発表ではこうした状況をGISを用いて定量的把握した調査について報告し、それを踏まえて都市の人間-自然関係に対する議論を行う。
