日本地球惑星科学連合2025年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 H (地球人間圏科学) » H-GG 地理学

[H-GG03] ⾃然資源・環境に関する地球科学と社会科学の対話

2025年5月29日(木) 17:15 〜 19:15 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 7・8ホール)

コンビーナ:古市 剛久(森林総合研究所)、上田 元(一橋大学・大学院社会学研究科)、大月 義徳(東北大学大学院理学研究科地学専攻環境地理学講座)、小田 隆史(東京大学)


17:15 〜 19:15

[HGG03-P05] 学校教育における竹林の利用管理を題材とした授業実践の意義と課題

*西城 潔1、小島 宗工2 (1.宮城教育大学、2.宮城県農業高等学校)

キーワード:里山、竹林、環境教育教材、学校教育

竹林は長年にわたり人間生活に様々な形で利用されてきたが、過去数十年間は適切な利用管理がなされず、放置竹林として里山荒廃の一因となっている場合が多い。演者の一人西城は、こうした竹林の現状は、大学生や児童生徒の自然資源・環境の利用に対する問題意識を喚起する良い教材になり得ると考え、過去約10年間にわたり竹・竹林を題材とした授業実践に取り組んできた。
 具体的には、大学の教員養成課程の小学校生活科を想定した授業科目において、竹林見学、竹の伐採、竹を用いた工作、竹炭焼きなどの体験を行ったり、小学校と連携した竹楽器の制作・演奏、七夕学習、竹炭焼きに取り組んだりといった実践を重ねてきた。その結果、竹・竹林は複数教科にまたがる有効な教材となり得ることが確認できた。ただ一方で、大学の授業にせよ小学校との連携にせよ一過性の体験にとどまりがちで、たとえば放置竹林問題のような地域課題に対して実効ある成果を挙げる活動にはなりにくいことも確かである。
 そこで2023年度からは地域の第一次産業との関わりが深い農業高等学校との協働のもと、タケノコ産地である宮城県名取市の竹林において、農家の協力を得ながら、年間を通した竹利用(タケノコ採取、竹林整備、メンマ作り、小学生との竹遊び、他地域の農業高校との交流など)を通して、活動の効果が地域にも波及するような実践を試みている。
竹林という里山の自然資源との持続的関係性を築き上げていくために、若い世代向けにこうした体験機会を提供することは、様々な学校種において試みられてよいのではなかろうか。