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[HGM04-P03] 削剥速度の増加にともなう河川・斜面形態の変化

キーワード:起伏、削剥速度、数値地形モデル、崩積領域
地殻変動と気候は削剥速度を決定し、山地流域の地形が制御される。削剥速度と地形量はそれぞれ宇宙線生成核種の分析と数値地形モデルの解析によって定量的に把握できる。削剥速度と地形量の対応関係を示すことは、その原因となる地形営力やプロセスを議論するうえで重要である。また、対応関係を特定することで、入手が容易なDTMから計算した地形量だけにもとづいて削剥速度の空間的分布が推定可能となる。地形量のひとつとして起伏がある。非氷河地域の地形の総起伏は、河川起伏、崩積(colluvial)起伏、斜面起伏に分けられる。河川起伏は、凹状の縦断形態を示す流路区間の最高点と最低点の高度差である。また、崩積起伏は土石流による侵食が卓越し、流路の勾配がほぼ一定となる区間の高度差であり、斜面起伏は斜面の高さを表す。河川起伏は削剥速度の増大に対して上限に達することが経験的に予測されるが、崩積起伏と斜面起伏についてはどのような反応を示すのかが明確に示されていない。そのため、本研究では削剥速度と起伏および関連する地形量の対応関係を示し、予測との整合性を確認する。
対象地域は既存研究によって流域平均削剥速度が既知であり、高解像度DTMが入手可能である日本の山地流域とした。地形解析は主にLSDTopoTools(Mudd et al., 2023)とQGISを用いて行った。地形解析では、流路頭の特定手法であるDrEICH法(Clubb et al., 2014)を適用し、流路頭より下流の流路領域と上部の斜面領域に分けた。また、流路領域について、河床勾配と集水面積のプロットをもとに河川領域と崩積領域に分割した。まず、河川領域について、その起伏は岩盤河川の急勾配度ksの関数として表すことができる。ksは削剥速度がある程度増加すると上限に達することが既存研究で示唆されている。したがって、河川起伏も同様に削剥速度の増加に対して上限に達することが予測される。そこで、削剥速度とksおよび河川起伏の関係を検討したところ、どちらも予測から外れない結果を示した。次に、斜面領域について、その起伏は流域界からの水平距離と平均勾配の積として表すことができる。斜面の勾配は削剥速度の増大に対して閾値に達することが知られており、起伏の増大のためには水平距離の増大が必要である。そこで、削剥速度と水平距離および斜面起伏の対応関係を出力した結果、どちらも削剥速度とともに増加する傾向を示した。ただし、この関係が単調増加か対数関数的増加かは特定できていない。最後に、崩積起伏は削剥速度とともに増加する傾向を示した。谷密度を対象とした既存研究では、流域の総谷密度は削剥速度が増加しても一定であるのに対し、崩積谷密度は削剥速度とともに増加することが示されている。そこで、流路領域における崩積起伏の割合を調べると、削剥速度とともに増加していた。削剥速度の増大とともに崩積領域が下流へ延伸することは、地形プロセスとしての土石流の影響が削剥速度とともに増大することを示唆する。しかし、土石流プロセスと削剥速度の定量的関係に関する研究は限られている。そのため今後は、土石流プロセス、削剥速度、地形の対応関係をモデル化することが求められる。
対象地域は既存研究によって流域平均削剥速度が既知であり、高解像度DTMが入手可能である日本の山地流域とした。地形解析は主にLSDTopoTools(Mudd et al., 2023)とQGISを用いて行った。地形解析では、流路頭の特定手法であるDrEICH法(Clubb et al., 2014)を適用し、流路頭より下流の流路領域と上部の斜面領域に分けた。また、流路領域について、河床勾配と集水面積のプロットをもとに河川領域と崩積領域に分割した。まず、河川領域について、その起伏は岩盤河川の急勾配度ksの関数として表すことができる。ksは削剥速度がある程度増加すると上限に達することが既存研究で示唆されている。したがって、河川起伏も同様に削剥速度の増加に対して上限に達することが予測される。そこで、削剥速度とksおよび河川起伏の関係を検討したところ、どちらも予測から外れない結果を示した。次に、斜面領域について、その起伏は流域界からの水平距離と平均勾配の積として表すことができる。斜面の勾配は削剥速度の増大に対して閾値に達することが知られており、起伏の増大のためには水平距離の増大が必要である。そこで、削剥速度と水平距離および斜面起伏の対応関係を出力した結果、どちらも削剥速度とともに増加する傾向を示した。ただし、この関係が単調増加か対数関数的増加かは特定できていない。最後に、崩積起伏は削剥速度とともに増加する傾向を示した。谷密度を対象とした既存研究では、流域の総谷密度は削剥速度が増加しても一定であるのに対し、崩積谷密度は削剥速度とともに増加することが示されている。そこで、流路領域における崩積起伏の割合を調べると、削剥速度とともに増加していた。削剥速度の増大とともに崩積領域が下流へ延伸することは、地形プロセスとしての土石流の影響が削剥速度とともに増大することを示唆する。しかし、土石流プロセスと削剥速度の定量的関係に関する研究は限られている。そのため今後は、土石流プロセス、削剥速度、地形の対応関係をモデル化することが求められる。
