日本地球惑星科学連合2025年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 H (地球人間圏科学) » H-GM 地形学

[H-GM04] 地形

2025年5月26日(月) 17:15 〜 19:15 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 7・8ホール)

コンビーナ:岩橋 純子(国土地理院)、齋藤 仁(名古屋大学 大学院環境学研究科)、高波 紳太郎(筑波大学)、Newman Daniel R(Hokkaido University)


17:15 〜 19:15

[HGM04-P04] 眉山岩屑なだれ滑落崖における崩壊地の変遷と土砂流出量

*藤原 夏菜香1八反地 剛2森本 拓3 (1.筑波大学理工情報生命学術院、2.筑波大学生命環境系、3.島原半島ジオパーク協議会)

キーワード:土砂流出量、岩屑なだれ、SfM-MVS、空中写真

本研究では1792年に発生した眉山岩屑なだれの滑落崖を対象に,航空LiDAR測量データと空中写真を活用して,最近数十年間における表層崩壊地の変遷を分析した.1947年,1975年,2015年の空中写真,2020年の航空LiDAR点群データから表層崩壊地を判読し,0.5 m LiDAR DEMを用いて崩壊地の傾斜,面積を測定した.さらに,空中写真から多視点ステレオ写真測量(SfM-MVS)技術を用いて1975年と2015年のDSMを作成した.これらのDSMと2020年LiDAR DEMを用いて,滑落崖の一つの流域(第4渓)を対象に1975年から2015年までの期間と2015年から2020年までの期間の土砂流出量を算出した.LiDAR DEMの微地形判読により,岩屑なだれ崩壊源に一部が侵食された古い崖錐が存在していることが判明した.岩屑なだれ発生直後には落石が活発な時期があり,一旦崖錐が形成された後,侵食が活発化して現在の地形が発達したと推測される.1975年空中写真で確認できる表層崩壊地の半数以上は1947年以降新規に発生したものであり,2015年までに崩壊地が減少した後,2020年には再び崩壊地が増加した.崩壊地が増加した2期間には,それぞれ1957年諫早豪雨と2016年熊本地震が発生した.これらの結果は,眉山岩屑なだれ滑落崖では豪雨や地震による新たな表層崩壊の発生と植生回復が繰り返されていることを示している.また,1975年から2015年の期間における第4渓流域の土砂流出量は,2015年から2020年の期間と比べて4分の1程度であった.したがって,2016年熊本地震後の期間には活発な土砂流出が生じたが,崩壊地が減少傾向であった1975年から2015年までの期間にも降雨イベントによって渓流からの一定の土砂流出が継続していた.