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[HGM04-P07] LiDARデータを用いた崩壊地における数十年間の植生回復の分析 –滋賀県愛知川流域の花崗岩斜面における事例–

キーワード:LiDAR、数値標高モデル、数値表層モデル、標高、アカマツ群落
滋賀県東近江市愛知川流域の花崗岩地域を対象として,崩壊地の植生回復を評価した.本研究では,調査地域の2022年の航空LiDARデータからDSM(数値表層モデル)とDEM(数値標高モデル)を作成し,その差分を樹冠高とみなして植生の回復指標とした.最初に12か所の崩壊地で現地調査を行い,LiDARデータにより崩壊地内部の植生評価が可能な範囲について検討した.調査した崩壊地は1975年の空中写真から判読した.発生後約50年間経過した崩壊地では,周囲から崩壊地内に樹冠が4~6 m程度せり出しており,崩壊地の面積が320 m2未満である場合,周囲の樹冠によって崩壊地の上空が覆われていた.LiDARデータに基づく植生回復の評価は,周囲の樹冠に覆われていない範囲において有効であった.次に,LiDARデータで評価できる範囲において崩壊地内の最大樹冠高と,0.1 m以上の樹冠高を示した植生面積率を計算した.分析可能な崩壊地は,1963年以前に発生した崩壊地14か所,1963~1975年に発生した崩壊地9か所,1995~2015年に発生した崩壊地9か所である.崩壊地とその発生期間は1963年,1975年,1995年,2015年の空中写真から特定した.1995~2015年に発生した崩壊地では植生回復が進んでおらず,10年程度の期間では木本の成長は不十分であった.1963~1975年に発生した崩壊地の場合,低標高帯(507~621 m)のアカマツ群落では急速に植生が回復した.また崩壊時に植生が部分的に残った領域,あるいは最初に侵入した領域で引き続き植生が成長した.
