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[HGM04-P08] 紀伊山地における重力変形地形の分布とその規定要因
キーワード:重力変形地形、GIS解析、紀伊山地
山地斜面には,山向き小崖や谷向き小崖といった重力変形地形が存在する.重力変形地形の一部は,深層崩壊や地すべりの発生前に見られる地形である.そのため,それらの発生場の予測,あるいは斜面プロセスの理解のために,重力変形地形の広域的な分布やその規定要因を明らかにする必要がある.近年では,航空測量データを用いたGIS解析や現地調査によって,重力変形地形の分布や形成要因を明らかにする研究がなされているものの,より多くの地域における重力変形地形の分布規定要因を検討する必要がある.
本研究では,航空測量データから作成したMPI赤色立体地図を用いて,紀伊山地における山向き小崖および谷向き小崖を判読した.判読結果を用いて,標高,傾斜,起伏,岩種,年降水量,地質構造,蛇行度,水流の収束・発散を表す指標であるCIといった要素と,重力変形地形の有無の関係を検討した.その結果,山向き小崖は,標高800–1000 m,傾斜21–30°,CIの値が大きい尾根付近,バッファ500 m起伏量300–550 mの場所で高い発生割合を示した.谷向き小崖は,標高650–1000 m,傾斜21–30°,CIの値が大きい尾根付近,バッファ500 m起伏量250–550 mの場所で高い発生割合を示した.岩種に関して,山向き小崖と谷向き小崖のいずれも,花崗岩類の分布域よりも,付加体の堆積岩分布域において,重力変形地形の発生割合が高くなった.5万分の1の地質図に記載のある走向傾斜データを用いて,重力変形地形と地質構造の関係を検討した.その結果,逆目盤,柾目盤,受け盤の順に重力変形の発生割合が高くなった.さらに,決定木分析によって,標高,傾斜,CI,起伏,岩種,降水量,地質構造といった各要素が,重力変形地形の有無に与える相対的重要度を検討した.その結果,岩種,降水量,地質構造よりも,CIや傾斜といった要素が重力変形地形の分布に重要であることが示された.重力変形地形の有無に,地形要素が重要であるという本研究の結果は,他地域で行われた複数の先行研究の結果と整合的である.重力変形地形の広域的な分布に関して,さらに精度の高い判読や分析を行うためには,地下の変形構造の違いによって,表層でどのような地形が出現するのか,より詳細に明らかにしていく必要がある.
本研究では,航空測量データから作成したMPI赤色立体地図を用いて,紀伊山地における山向き小崖および谷向き小崖を判読した.判読結果を用いて,標高,傾斜,起伏,岩種,年降水量,地質構造,蛇行度,水流の収束・発散を表す指標であるCIといった要素と,重力変形地形の有無の関係を検討した.その結果,山向き小崖は,標高800–1000 m,傾斜21–30°,CIの値が大きい尾根付近,バッファ500 m起伏量300–550 mの場所で高い発生割合を示した.谷向き小崖は,標高650–1000 m,傾斜21–30°,CIの値が大きい尾根付近,バッファ500 m起伏量250–550 mの場所で高い発生割合を示した.岩種に関して,山向き小崖と谷向き小崖のいずれも,花崗岩類の分布域よりも,付加体の堆積岩分布域において,重力変形地形の発生割合が高くなった.5万分の1の地質図に記載のある走向傾斜データを用いて,重力変形地形と地質構造の関係を検討した.その結果,逆目盤,柾目盤,受け盤の順に重力変形の発生割合が高くなった.さらに,決定木分析によって,標高,傾斜,CI,起伏,岩種,降水量,地質構造といった各要素が,重力変形地形の有無に与える相対的重要度を検討した.その結果,岩種,降水量,地質構造よりも,CIや傾斜といった要素が重力変形地形の分布に重要であることが示された.重力変形地形の有無に,地形要素が重要であるという本研究の結果は,他地域で行われた複数の先行研究の結果と整合的である.重力変形地形の広域的な分布に関して,さらに精度の高い判読や分析を行うためには,地下の変形構造の違いによって,表層でどのような地形が出現するのか,より詳細に明らかにしていく必要がある.
