17:15 〜 19:15
[HGM04-P13] 秋田県八峰町チゴキ崎の離水海岸地形

キーワード:波食棚、シュミットハンマー、無人航空機、風化
波食棚は,波の侵食作用によって岩石海岸で形成される平坦な地形である。これは満潮位と干潮位の間の潮間帯と呼ばれる海水面の高さで形成される。また,この地形の形成には岩石の抵抗力(硬さ)と波の侵食力が関係していると言われている。本研究ではいくつかの波食棚が発達する地域において,高精度地形測量と岩石物性の値から,その形成年代と形成プロセスを推定することを目的とした。
調査地域は,秋田県八峰町チゴキ崎である。本地域を含める西津軽地方では完新世以降,間欠的に隆起していると言われている。また,Nakata et al. (1976)では,1704年と1793年の地震でチゴキ崎周辺地域が約2m隆起したことが述べられている。本研究では,この地域で標高の測定,無人航空機を用いた地形測量,岩石強度の測定,割れ目密度の測定を行った。標高の測定はRTK-GNSSを用いた。RTK-GNSSが搭載された無人航空機を用いた地形測量では撮影した画像から高精度3次元地形モデルを作成した。岩石強度はシュミットハンマーを用いて連打法と単打法の2つの方法で測定した。加えて,求めた値をそれぞれ除することで風化係数を求めた。また,割れ目密度を1 mあたりの割れ目の数と定義し,3回測定した平均値を求めた。
作成した高精度3次元地形モデルから断面図を作成した。その結果,標高ごとに区分すると3つの波食棚があることが明らかとなった。これらの波食棚を上位よりL面,B面,C面とした。また,ノッチの存在が2か所確認され,その標高は4.2 mであった。ノッチの下にL面が形成されていることから,L面はノッチ形成時の波食棚であることが推定される。一方,B面はそれより下部に形成され,その標高は約2 mであった。これは,Nakata et al. (1976)で述べられている隆起高さと一致することから,1704年と1793年に隆起した面であることが推定される。また,C面は現在の潮間帯に位置することから現生の海食棚であることが推定できる。それぞれの面で測定した岩石強度,風化係数,割れ目密度からは,現生の波食棚であるC面は侵食環境下にあり,L面とB面は風化環境下にあることが推定された。また,L面では割れ目が発達する風化,B面では割れ目が発達しない風化が卓越することが明らかになった。
今後はより詳細な年代の測定や,風化過程の調査を実施することにより波食棚の形成プロセスを明らかにすることを目指す。
Nakata, T., Imaizumi, T. and Matsumoto, H. (1976): Late Quaternary Tectonic Movements on the Nishi-tsugaru Coast, with Reference to Seismic Crustal Deformation. Sci.Rep.Tohoku Univ.,7th Ser. (Geogr), 26, 101-112
調査地域は,秋田県八峰町チゴキ崎である。本地域を含める西津軽地方では完新世以降,間欠的に隆起していると言われている。また,Nakata et al. (1976)では,1704年と1793年の地震でチゴキ崎周辺地域が約2m隆起したことが述べられている。本研究では,この地域で標高の測定,無人航空機を用いた地形測量,岩石強度の測定,割れ目密度の測定を行った。標高の測定はRTK-GNSSを用いた。RTK-GNSSが搭載された無人航空機を用いた地形測量では撮影した画像から高精度3次元地形モデルを作成した。岩石強度はシュミットハンマーを用いて連打法と単打法の2つの方法で測定した。加えて,求めた値をそれぞれ除することで風化係数を求めた。また,割れ目密度を1 mあたりの割れ目の数と定義し,3回測定した平均値を求めた。
作成した高精度3次元地形モデルから断面図を作成した。その結果,標高ごとに区分すると3つの波食棚があることが明らかとなった。これらの波食棚を上位よりL面,B面,C面とした。また,ノッチの存在が2か所確認され,その標高は4.2 mであった。ノッチの下にL面が形成されていることから,L面はノッチ形成時の波食棚であることが推定される。一方,B面はそれより下部に形成され,その標高は約2 mであった。これは,Nakata et al. (1976)で述べられている隆起高さと一致することから,1704年と1793年に隆起した面であることが推定される。また,C面は現在の潮間帯に位置することから現生の海食棚であることが推定できる。それぞれの面で測定した岩石強度,風化係数,割れ目密度からは,現生の波食棚であるC面は侵食環境下にあり,L面とB面は風化環境下にあることが推定された。また,L面では割れ目が発達する風化,B面では割れ目が発達しない風化が卓越することが明らかになった。
今後はより詳細な年代の測定や,風化過程の調査を実施することにより波食棚の形成プロセスを明らかにすることを目指す。
Nakata, T., Imaizumi, T. and Matsumoto, H. (1976): Late Quaternary Tectonic Movements on the Nishi-tsugaru Coast, with Reference to Seismic Crustal Deformation. Sci.Rep.Tohoku Univ.,7th Ser. (Geogr), 26, 101-112
