日本地球惑星科学連合2025年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 H (地球人間圏科学) » H-GM 地形学

[H-GM04] 地形

2025年5月26日(月) 17:15 〜 19:15 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 7・8ホール)

コンビーナ:岩橋 純子(国土地理院)、齋藤 仁(名古屋大学 大学院環境学研究科)、高波 紳太郎(筑波大学)、Newman Daniel R(Hokkaido University)


17:15 〜 19:15

[HGM04-P16] 現象の限界を捉えた降雨流出解析で避難視線に役立てよう

*安東 尚美1 (1.流域調整室技術事務所)

キーワード:地下水流争奪、飽和不飽和浸透流解析、解析限界値、防災砂場、避難視線

1 和束町石寺の実験用地周辺における既往調査と解析
大阪湾に注ぐ淀川の二次支流和束川に並行して和束断層があり、大阪層群と花崗岩の互層となっている、標高130m前後、勾配25度程度の山林を造成した2000m2の山林である。1m深さ地温調査で冬温かく夏冷たい箇所を水ミチと判定し、地下水流水音計の2000Hz音量が最大999表示となるヶ所、電気伝導度ECで浅層伏流水の59μs/cmから河川水150前後、20m井戸220で水の齢を推定した。2018年7月の豪雨後にみられた地すべりや、近くで和束川の二次支川の風化花崗岩軟岩に現場打杭で支える護岸に負担を少なく架替えた橋の水抜き穴を閉じた影響と対策について、有限要素法による飽和不飽和浸透流解析を行い、全水頭と流速の差や最大ヶ所から説明した。降雨から蒸発散による流出量への影響について、手軽に観測できる照度計や風速計を用い気象台のデータと比較して観測温度や湿度の妥当性を判断し、河川流量を計測して、雨量、経過日数と湿度との重回帰式を検定した。
 実験用地のある石寺地区を含む和束町は、400mm以上の降雨を堀込河道の湯船地区でみた昭和28年の南山城水害で、中和束では川幅が200mにまで広がり最も被害が大きく、実験用地の近くも流路が10m以上東に移動し、河道が深く掘れた伝承が、空中写真、旧公図、現在の公図の地番から裏付けられる。河道は、砂防堰堤や落差工が築かれ、コンクリート三面張りに改修された。流路変遷を現況地形からみられる場所は、茶畑観光客が立ち寄ることのできる史跡とすることを和束町に提起した。
2 降雨情報と流出量観測の時系列観察と飽和不飽和浸透流解析での再現  
実験地内の流出パイプがある地点、及び、橋を渡る手前の水路地目となっている箇所との流出量を容器で受ける方法で計測し、川の防災情報との比較を行った。その結果、34mm以上の連続降雨時には実験用地のパイプからの流出が見られた。橋を渡る手前の側溝水量は橋の架替えで2023年水抜き穴を埋めたとところ道路向いの表面流や土砂吸出しが年数回の大雨時にみられた。橋手前の花壇の流出は2024年には流量0になる日もある一方、降雨が少なくても年末年始は流出量が増えるなど下水流入の影響もあり、降雨から流出への相関はは5日遅れで最大、実験用地パイプでは4日遅れで、数日後に地下水流出音が最大値999と同様であった。堰堤上の河道の15m前後の区間における水枯れがみられた2023年の秋から2024年春にかけての降雨から流出の時間遅れは0日が最大となり、橋手前花壇と堰堤上河道の流域面積が大きく変わらないことから、地下の水ミチによる争奪も考えられた。飽和不飽和3次元地下水解析ソフトAC-UNSAF3Dを用いて、34mmで実験用地のパイプから流出の再現を試みた。境界条件は、浸出点を指定するか、物質移動無しかとなる。その結果、1時間30mm降らせて10時間後の解析や、時間雨量34mmから30mmになる解析はできたが、34mmを1時間入力すると収束せず解析図化ができなかった。崩壊土砂厚データや表面流浸透水を扱う広域流出解析、土石流の広がり方を見るKanakoといったソフトも水と土砂の土石流移動態が前提である。
3 地形変化をもたらす複合災害の避難行動に効果的なモデルの在り方
流水による地形変化を把握する方法として、赤外線カメラを用いて投影する防災砂場を用いて大阪市内の小学校理科支援授業を行った。普段の生活に役立つと思うを1、やや思うを0.5とした評点平均がハザードマップで大和川氾濫3m前後の場所で0.67、0.5~3mの所で0.68に対し、高潮3~5mでは0.4でそこでは社会に役立つ評点の方が大きく、河川災害の方が身近に感じられるモデルになり得ると感じた。能登では地震により地盤が緩んだところに250mmの降雨で土砂を含んた河川災害が見られ、スマホのキキクル情報を見ながら自宅の2階に垂直避難をして助かった人亡くなった方の様に窓から外を撮影するとした場合の調節関与の判明を視覚学会や眼光学会で発表した外眼筋の作用である視線移動を眼鏡カメラで撮影したところ、小さな部分しか見ていないことが判明した。視線移動と現象の時空に立脚し避難可能な情報として提供できるモデル構築を目指したい。