11:30 〜 11:45
[HQR05-10] 天竜川下流域におけるMIS 6の扇状地性段丘の形成
キーワード:ルミネッセンス年代測定、扇状地、更新世
天竜川下流域には扇状地性の段丘が発達している.既存研究において,それらの扇状地性の段丘は海水準上昇にともない形成されたと推測されてきたものの,堆積物の堆積年代にもとづいた編年はこれまでにない.本研究では,天竜川下流域にみられる磐田原台地を対象として,ルミネッセンス年代測定により扇状地堆積物の堆積年代を明らかにし,その形成過程を検討した.
本研究では複数粒子のpost-IR IRSL50/150年代およびpost-IR IRSL50/225年代の比較,および単一粒子のpost-IR IRSL50/225年代測定をおこなった.単一粒子のpost-IR IRSL50/225の蓄積線量の分布から,post-IR IRSL50/225信号が堆積前に十分リセットされたと推測される.post-IR IRSL50/150信号のg-valueは2.0~2.7%/decadeと高いのに対し,post-IR IRSL50/225信号のg-valueは1.1~1.5%/decadeと低い.post-IR IRSL50/225信号のg-valueは低いことから,フェーディングによる年代の過小評価の影響は極めて小さいと考えられる.段丘構成層の最上部のpost-IR IRSL50/150およびpost-IR IRSL50/225の未補正年代はそれぞれ約125 ka,150~135 kaであった.わずかにフェーディングの影響により年代を過小評価するpost-IR IRSL50/150の未補正年代がMIS 5eに相当することからも,段丘の形成年代がMIS 6に対比できると考えられる.
磐田原台地を構成する扇状地性の礫層は層厚約60 mである.その最下部からは約200 kaの年代値が得られたことから,MIS 7の高海水準期に河床が上昇を開始したと考えられる.約150-135 kaには約40 mもの急速な河床上昇が生じ,その後すぐに段丘化した.この時期における急速な河床上昇は,東アジア夏季モンスーンの弱化に起因すると推測される.本研究の結果は,沿岸域にみられる扇状地の形成過程が海水準変動の影響のみならず,気候変動の影響も強く受けることを示唆する.
本研究では複数粒子のpost-IR IRSL50/150年代およびpost-IR IRSL50/225年代の比較,および単一粒子のpost-IR IRSL50/225年代測定をおこなった.単一粒子のpost-IR IRSL50/225の蓄積線量の分布から,post-IR IRSL50/225信号が堆積前に十分リセットされたと推測される.post-IR IRSL50/150信号のg-valueは2.0~2.7%/decadeと高いのに対し,post-IR IRSL50/225信号のg-valueは1.1~1.5%/decadeと低い.post-IR IRSL50/225信号のg-valueは低いことから,フェーディングによる年代の過小評価の影響は極めて小さいと考えられる.段丘構成層の最上部のpost-IR IRSL50/150およびpost-IR IRSL50/225の未補正年代はそれぞれ約125 ka,150~135 kaであった.わずかにフェーディングの影響により年代を過小評価するpost-IR IRSL50/150の未補正年代がMIS 5eに相当することからも,段丘の形成年代がMIS 6に対比できると考えられる.
磐田原台地を構成する扇状地性の礫層は層厚約60 mである.その最下部からは約200 kaの年代値が得られたことから,MIS 7の高海水準期に河床が上昇を開始したと考えられる.約150-135 kaには約40 mもの急速な河床上昇が生じ,その後すぐに段丘化した.この時期における急速な河床上昇は,東アジア夏季モンスーンの弱化に起因すると推測される.本研究の結果は,沿岸域にみられる扇状地の形成過程が海水準変動の影響のみならず,気候変動の影響も強く受けることを示唆する.