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[HQR05-P11] 鹿児島地溝における過去300万年間の大規模火砕流堆積物の火山ガラス主成分化学組成
キーワード:テフラ、主成分化学組成、大規模火砕流噴火、南九州
広域テフラは重要な編年指標であり、日本における後期更新世テフラの層序・分布については、詳細なテフラ層序網が構築され統合されつつある。一方、前・中期更新世テフラについては、給源火山地域における層序の構築に困難を伴うため、その確立には至っていない。日本列島の南西部に位置する南九州カルデラ地域は、国内で火山活動が最も活発な地域の一つであり、広域テフラの供給源として重要な地域である。同地域の位置する鹿児島地溝は、四万十累層群からなる九州南部に南北100 km以上、幅20〜30 kmに渡って広がる火山構造性地溝として知られる。ここには、南から鬼界カルデラ、阿多カルデラ、姶良カルデラ、加久藤カルデラ、小林カルデラなどの巨大カルデラが存在し、第四紀を通じて大規模なカルデラ形成噴火による大量の火山砕屑物を供給してきた。同地域における前・中期更新世火砕流堆積物の層序学的研究には議論の余地が残っている。給源近傍相の火砕流堆積物には、記載岩石学的に類似した火砕流堆積物や類似した遠方相の降下火山灰が知られており、このことが広域対比の困難や齟齬につながっている。さらに、岩相のみに基づく誤った同定や、カルデラ形成噴火による地形改変に伴う露出制限から、その体積や分布が不明な複数の火砕流堆積物が地域層序に組み込まれていない。
本研究では、南九州カルデラ地域における火砕流堆積物の層序と分布を解明するため、20枚以上の火砕流堆積物について、その火山ガラスの主成分化学組成を中心に、鉱物組み合わせを含む記載岩石学的特性を明らかにした。分析対象には、完新世から更新世、後期鮮新世にかけて、鹿児島地溝の諸カルデラから噴出したテフラのうち、カルデラ形成を伴うVEI =6–7の大規模火砕流噴火に由来するものを選出した。これらに加えて、同地域の層序に組み込まれているものの、体積、分布、層位などが不明確な火砕流堆積物からも同様のデータを得た。火山ガラスの主成分化学組成は、東京都立大学が所有するエネルギー分散型X線分析装置(JEOL JSM-6930およびEDAX GENESIS APEX2)を用いて、加速電圧15 kV、電流0.6 nAで測定した。
記載岩石学的特性の類似するテフラについては、火山ガラスの微量元素組成を明らかにし、さらに詳細に検討する必要がある。今後はそれらの特性に基づき、未定義の火砕流堆積物を含む同地域の給源近傍のテフラ層序を構築し、広域対比を再検討する。本研究は日本学術振興会科研費JP19K13438の助成を受けた。
本研究では、南九州カルデラ地域における火砕流堆積物の層序と分布を解明するため、20枚以上の火砕流堆積物について、その火山ガラスの主成分化学組成を中心に、鉱物組み合わせを含む記載岩石学的特性を明らかにした。分析対象には、完新世から更新世、後期鮮新世にかけて、鹿児島地溝の諸カルデラから噴出したテフラのうち、カルデラ形成を伴うVEI =6–7の大規模火砕流噴火に由来するものを選出した。これらに加えて、同地域の層序に組み込まれているものの、体積、分布、層位などが不明確な火砕流堆積物からも同様のデータを得た。火山ガラスの主成分化学組成は、東京都立大学が所有するエネルギー分散型X線分析装置(JEOL JSM-6930およびEDAX GENESIS APEX2)を用いて、加速電圧15 kV、電流0.6 nAで測定した。
記載岩石学的特性の類似するテフラについては、火山ガラスの微量元素組成を明らかにし、さらに詳細に検討する必要がある。今後はそれらの特性に基づき、未定義の火砕流堆積物を含む同地域の給源近傍のテフラ層序を構築し、広域対比を再検討する。本研究は日本学術振興会科研費JP19K13438の助成を受けた。