日本地球惑星科学連合2025年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 H (地球人間圏科学) » H-SC 社会地球科学・社会都市システム

[H-SC06] 地球温暖化防⽌と地学(CO2地中貯留・有効利⽤、地球⼯学)

2025年5月27日(火) 17:15 〜 19:15 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 7・8ホール)

コンビーナ:徂徠 正夫(国立研究開発法人産業技術総合研究所 地圏資源環境研究部門)、薛 自求(公益財団法人 地球環境産業技術研究機構)、愛知 正温(東京大学大学院新領域創成科学研究科)、今野 義浩(The University of Tokyo, Japan)

17:15 〜 19:15

[HSC06-P06] ハイパースペクトルセンサEMITを利用したCO2濃度推定手法の検討

*太田 将裕1影島 充万1 (1.株式会社地球科学総合研究所)

キーワード:CCS、CO2検知、モニタリング、大気シミュレーション、ハイパースペクトル、衛星画像データ解析

二酸化炭素(CO2)の排出削減は地球温暖化抑制対策としての世界共通の取り組みであり、その削減技術の一つであるCCS(CO2回収・貯留)が近年、欧米・豪州・カナダを中心に事業化されている。日本国内では、国の支援(先進的CCS事業)を受けた石油会社、電力会社等からなるコンソーシアムが、2026年のFID(2030年の圧入開始)に向けて、地下地質評価・シミュレーション、CO2分離・回収・輸送技術、各種モニタリング計画等について、詳細検討を行っている。
 CCS操業中はCO2圧入終了後も含め、貯留サイトにおける各種モニタリング(温度・圧力、坑井健全性、微小地震観測等)が不可欠であり、環境モニタリング(地下水、土壌、海洋、漏洩検知等)もそのひとつである。微量のCO2の漏洩検知には地表付近の大気モニタリングが有効であり、その際、衛星画像データを用いた検知が可能になれば、貯留サイトとその周辺の広域モニタリングに資する。
 光学衛星データを使用したCO2検知においては、CIBR法(Continuum Interpolated Band Ratio; Spinetti et al.(2008) )が広く知られており、当社では既に、ハイパースペクトルセンサHISUIの観測データを使用して)、CIBR法によるCO2アノマリ検出に成功している(光原ほか, 2024)。
 本研究では、大規模なCO2排出が行われている石炭火力発電所周辺地域を対象として、国際宇宙ステーション搭載のハイパースペクトルセンサEMIT(The Earth Surface Mineral Dust Source Investigation、空間分解能:60m、観測波長帯:285)の観測データを使用し、CO2アノマリの検知だけでなく、その濃度定量化の手法についても検討した。濃度推定(キャリブレーシ)ョン)に際しては、EMITデータの各画素において、観測スペクトルと大気シミュレータ(MODTRAN)による計算スペクトルのマッチングを行い、マッチング精度の最も高いパラメータ(CO2濃度)を最適解とした。現在、定量化したCO2濃度の妥当性について考察中である。