17:15 〜 19:15
[HSC06-P11] 洋上プラットフォームからの貯留と陸域からの貯留のコスト比較
キーワード:CCS、貯留コスト、輸送
国連事務総長が「地球沸騰化」という言葉を使うほど、地球温暖化の進行が深刻になってきている。日本を含む多くの国が地球温暖化対策として2050年頃のカーボンニュートラルを目標として掲げている。CCS(二酸化炭素回収・貯留)はカーボンニュートラル達成に必要不可欠な技術と考えられており、日本では2030年からの本格的なCCS事業開始を目指している。CCSを事業として行う場合には、コストの検討が必要となる。二酸化炭素地中貯留技術研究組合では、CCSのコスト試算を行うためのツール(コスト試算ツール)を開発し、本年 web で公開した。
コスト試算ツールでは、陸から貯留層までの距離(離岸距離)と貯留層直上の海の深さによって圧入方法が自動的に選択される。貯留層が岸から近い場合には、陸域から圧入井を掘り貯留層にCO2を圧入する方式(陸域圧入)になる。一方、岸から離れると洋上プラットフォームからの圧入方式になる。洋上プラットフォームは、貯留層直上の海の深さによって、さらにジャッキアッププラットフォームとセミサブプラットフォームにわかれる。現在の仕様では、離岸距離が3km以内であれば陸域圧入、離岸距離が3kmを超えた場合には、水深が100m以下であればジャッキアッププラットフォーム、それより深ければセミサブプラットフォームとなる。コストは、陸域圧入、ジャッキアッププラットフォーム、セミサブプラットフォームの順に高くなる。
輸送に関しては、船舶輸送、陸上パイプライン輸送、海底パイプライン輸送の3つの輸送方式が組み込まれており、ユーザーが選択できる。パイプラインの場合は、陸上でも海底でも輸送距離におおよそ比例するようにコストが高くなる。一方、船舶の場合は、本検討における諸元の場合、輸送距離が100km~400km程度の範囲であれば、船のサイズが変わらないため距離によるコストの違いはごくわずかである。そのため、短い距離であればパイプライン輸送が安く、一定以上の距離になると船舶輸送が安くなる。
本発表ではコスト試算ツールの有用性を示すために以下のようなケース比較を示す。CO2回収点近傍で輸送が不要な沖合貯留層に貯留を行う場合(洋上プラットフォームからの圧入)と、長距離輸送が必要ではあるが陸域圧入可能な沿岸域の貯留層に貯留を行う場合の比較である。結果は、輸送距離が200~300 km 程度であればパイプライン輸送して陸域圧入する方が安くなる。ただし、コストは想定するシナリオ(諸元)によって大きく変わり得る。例えば、同じ輸送距離であっても年間CO2輸送量によって輸送コストは大きく変わり、パイプライン輸送と船舶輸送のコスト逆転が起きる距離も変わってくる。そのため、このような検討を行う場合には、どのような諸元で行うかをしっかりと考え、また想定される様々な諸元で検討を行う必要がある。また結果(コスト)を見るときにも、金額だけを見るのではなく、どのような諸元で得られた結果なのかに注意を払う必要がある。
謝辞:この成果は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託業務(JPNP18006)の結果、得られたものである。
コスト試算ツールでは、陸から貯留層までの距離(離岸距離)と貯留層直上の海の深さによって圧入方法が自動的に選択される。貯留層が岸から近い場合には、陸域から圧入井を掘り貯留層にCO2を圧入する方式(陸域圧入)になる。一方、岸から離れると洋上プラットフォームからの圧入方式になる。洋上プラットフォームは、貯留層直上の海の深さによって、さらにジャッキアッププラットフォームとセミサブプラットフォームにわかれる。現在の仕様では、離岸距離が3km以内であれば陸域圧入、離岸距離が3kmを超えた場合には、水深が100m以下であればジャッキアッププラットフォーム、それより深ければセミサブプラットフォームとなる。コストは、陸域圧入、ジャッキアッププラットフォーム、セミサブプラットフォームの順に高くなる。
輸送に関しては、船舶輸送、陸上パイプライン輸送、海底パイプライン輸送の3つの輸送方式が組み込まれており、ユーザーが選択できる。パイプラインの場合は、陸上でも海底でも輸送距離におおよそ比例するようにコストが高くなる。一方、船舶の場合は、本検討における諸元の場合、輸送距離が100km~400km程度の範囲であれば、船のサイズが変わらないため距離によるコストの違いはごくわずかである。そのため、短い距離であればパイプライン輸送が安く、一定以上の距離になると船舶輸送が安くなる。
本発表ではコスト試算ツールの有用性を示すために以下のようなケース比較を示す。CO2回収点近傍で輸送が不要な沖合貯留層に貯留を行う場合(洋上プラットフォームからの圧入)と、長距離輸送が必要ではあるが陸域圧入可能な沿岸域の貯留層に貯留を行う場合の比較である。結果は、輸送距離が200~300 km 程度であればパイプライン輸送して陸域圧入する方が安くなる。ただし、コストは想定するシナリオ(諸元)によって大きく変わり得る。例えば、同じ輸送距離であっても年間CO2輸送量によって輸送コストは大きく変わり、パイプライン輸送と船舶輸送のコスト逆転が起きる距離も変わってくる。そのため、このような検討を行う場合には、どのような諸元で行うかをしっかりと考え、また想定される様々な諸元で検討を行う必要がある。また結果(コスト)を見るときにも、金額だけを見るのではなく、どのような諸元で得られた結果なのかに注意を払う必要がある。
謝辞:この成果は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託業務(JPNP18006)の結果、得られたものである。