09:15 〜 09:30
[HTT15-02] On Estimation of Bridge Deterioration based on Natural Environment

キーワード:GIS、ランダムフォレスト、維持管理、アセットマネジメント
1.はじめに
わが国の社会資本ストックは高度経済成長期に集中的に整備され、今後急速に老朽化することが懸念されており、今後20年間で、建設後50年以上経過する施設の割合は加速度的に高くなる見込みである。建設50年以上経過する社会資本の割合は道路橋に関して、2023年3月時点では約37%だったものが、2030年3月時点では約54%、2040年3月には75%にまで上昇すると予測されている。橋梁においては、特に市区町村が管理している橋梁は高度経済成長期に集中整備されている。また、少子高齢化やいわゆる就職氷河期世代世代の影響などを受け、次世代の担い手となる土木技術者不足が問題として挙げられ、インフラDXなどを活用した問題解決が注目を集めている。
こうした問題の解決策の一つとして、事後保全から予防保全への移行を進めるアセットマネジメントによるライフサイクルコストの低減などが挙げられ、国土交通省などが推進している。一方で、これまでの予算水準では予防保全への移行までに約20年必要という試算もあり、点検費用の削減や優先的に点検をおこなう必要のある橋梁の特定などが重要であると考える。そこで、本研究では、橋梁に着目し、気温や降雨量といった複数の環境的要因から橋梁の劣化度合いを推定することを目的とする。
2.目的と方法
本研究の目的は気温や降雨量といった複数の環境的要因から橋梁の劣化度合いを推定し、橋梁の簡易的な点検手法の開発や優先的に点検をおこなう橋梁の特定などに寄与することである。
本研究では、Pythonのライブラリの一つであるscikit-learn内にあるランダムフォレストを活用した研究をおこなった。ランダムフォレストは決定木を大量に作り、それらの多数決によって、分類問題を解く分析モデルである。ランダムフォレストの学習では、データのランダムサンプリングなどによる多面的な情報の解析を期待できるため、本研究の分析モデルとして採用した。
今回の分析では橋梁の健全性の診断区分を目的変数とした。また、説明変数として、橋長や幅長、架設年度といった気温や降雨量、積雪量などの橋梁の周辺環境に関するデータを活用した。
実験対象地は橋梁の判定区分にある程度ばらつきがある福島県とした。対象とする橋梁は福島県にある18,667基のうち、データの欠損などがある橋梁を除いた13,563基を対象とした。また、対象とした橋梁に気温や降雨量といった気候データや風況データ、海岸線からの距離などの橋梁の劣化に関係することが想定される環境的要因をGISを用いて空間的に統合しデータセットを作成した。作成したデータセットは学習データとテストデータに7:3の比率で分割し、実行した。また、テストデータの判定結果から混同行列と各特徴量の重要度を作成し、判定区分別の精度の検証と各環境因子がどの程度橋梁の判定区分の推定に寄与しているかを考察した。
3.結果
テストデータの特徴量の重要度から、判定区分の推定に大きく寄与している環境要因は海岸線からの距離や風速であることがわかった。また、橋長などの橋の基礎情報についても判定区分の推定に寄与していることがわかった。特に、橋梁の架設年度などの時間に関する情報は判定区分の推定に大きく寄与していることがわかった。また、混同行列によって、判定区分別に判定区分をどの程度推定できているかについて考察することができた。
4.まとめ
今回の研究では、ランダムフォレストを用いることで気温や降雨量などの複数の環境的要因から橋梁の劣化の判定区分について推定することができた。また、判定区分の推定に寄与している環境的要因について、特徴量の重要度を明らかにすることができた。今後は、航空写真や人口データなどGISで空間的に統合できるデータを追加することで、精度の向上を目指す。また、環境的要因の特徴量をGISで可視化することによって、設計段階において考慮する環境的要因を特定するができると考える。
わが国の社会資本ストックは高度経済成長期に集中的に整備され、今後急速に老朽化することが懸念されており、今後20年間で、建設後50年以上経過する施設の割合は加速度的に高くなる見込みである。建設50年以上経過する社会資本の割合は道路橋に関して、2023年3月時点では約37%だったものが、2030年3月時点では約54%、2040年3月には75%にまで上昇すると予測されている。橋梁においては、特に市区町村が管理している橋梁は高度経済成長期に集中整備されている。また、少子高齢化やいわゆる就職氷河期世代世代の影響などを受け、次世代の担い手となる土木技術者不足が問題として挙げられ、インフラDXなどを活用した問題解決が注目を集めている。
こうした問題の解決策の一つとして、事後保全から予防保全への移行を進めるアセットマネジメントによるライフサイクルコストの低減などが挙げられ、国土交通省などが推進している。一方で、これまでの予算水準では予防保全への移行までに約20年必要という試算もあり、点検費用の削減や優先的に点検をおこなう必要のある橋梁の特定などが重要であると考える。そこで、本研究では、橋梁に着目し、気温や降雨量といった複数の環境的要因から橋梁の劣化度合いを推定することを目的とする。
2.目的と方法
本研究の目的は気温や降雨量といった複数の環境的要因から橋梁の劣化度合いを推定し、橋梁の簡易的な点検手法の開発や優先的に点検をおこなう橋梁の特定などに寄与することである。
本研究では、Pythonのライブラリの一つであるscikit-learn内にあるランダムフォレストを活用した研究をおこなった。ランダムフォレストは決定木を大量に作り、それらの多数決によって、分類問題を解く分析モデルである。ランダムフォレストの学習では、データのランダムサンプリングなどによる多面的な情報の解析を期待できるため、本研究の分析モデルとして採用した。
今回の分析では橋梁の健全性の診断区分を目的変数とした。また、説明変数として、橋長や幅長、架設年度といった気温や降雨量、積雪量などの橋梁の周辺環境に関するデータを活用した。
実験対象地は橋梁の判定区分にある程度ばらつきがある福島県とした。対象とする橋梁は福島県にある18,667基のうち、データの欠損などがある橋梁を除いた13,563基を対象とした。また、対象とした橋梁に気温や降雨量といった気候データや風況データ、海岸線からの距離などの橋梁の劣化に関係することが想定される環境的要因をGISを用いて空間的に統合しデータセットを作成した。作成したデータセットは学習データとテストデータに7:3の比率で分割し、実行した。また、テストデータの判定結果から混同行列と各特徴量の重要度を作成し、判定区分別の精度の検証と各環境因子がどの程度橋梁の判定区分の推定に寄与しているかを考察した。
3.結果
テストデータの特徴量の重要度から、判定区分の推定に大きく寄与している環境要因は海岸線からの距離や風速であることがわかった。また、橋長などの橋の基礎情報についても判定区分の推定に寄与していることがわかった。特に、橋梁の架設年度などの時間に関する情報は判定区分の推定に大きく寄与していることがわかった。また、混同行列によって、判定区分別に判定区分をどの程度推定できているかについて考察することができた。
4.まとめ
今回の研究では、ランダムフォレストを用いることで気温や降雨量などの複数の環境的要因から橋梁の劣化の判定区分について推定することができた。また、判定区分の推定に寄与している環境的要因について、特徴量の重要度を明らかにすることができた。今後は、航空写真や人口データなどGISで空間的に統合できるデータを追加することで、精度の向上を目指す。また、環境的要因の特徴量をGISで可視化することによって、設計段階において考慮する環境的要因を特定するができると考える。
