11:00 〜 11:15
[HTT16-08] 気候帯の異なる河川流域の特性比較-最上川と阿武隈川に焦点をあてて-
キーワード:流域特性、河川水質、水環境
気候変動に伴う水環境を含めた流域管理の対応を視野に入れて,積雪地帯でありつつも気候帯の異なる最上川,阿武隈川の諸環境要因を踏まえた河川水質の異なりを比較検討した.対象とした阿武隈川と最上川は,盆地と狭窄部を繰り返し流下する日本の典型的な河川である.諸環境要因として水質に対する地形,土地利用,表層地質を設定し,GISを用いて比較検討を行った.水質は阿武隈川流域で2019年10月から2020年9月まで,最上川流域では2021年3月から2023年7月まで基本的に1か月に1度実施した現地調査と採水サンプルで得たデータ(EC,pH,水温等)を用いた.
その結果,阿武隈川流域と最上川流域で人間活動や火山活動による河川水質への影響の強さの異なりが明らかにされた.阿武隈川流域は,最上川流域と近しい水文学的特徴を有し,流域面積が約1,640 km2小さいものの,流域内人口が約40万人多い.そのため,阿武隈川流域では土地利用において建物用地や田,その他の農用地など,人間活動が活発な土地割合が34.3%と,最上川流域の割合(24.6%)より多い結果が示された.表層地質については,阿武隈川流域は花崗岩が流域の右岸に広く分布し,流域全体の31.4%を占めた.最上川流域は火成岩が29.2%であった.
水質データからは,阿武隈川のECは最上川より67.2µS/cm高く,本流へのイオンの供給が多いことが分かる.イオンクロマトグラフィーの結果では,両流域とも多くの地点で重炭酸カルシウム型の日本の典型的な河川水質を示したが,荒川や松川,蔵王川や酢川では硫酸イオンが卓越し,阿武隈川上流部,最上川上流部および一部の河川では硝酸イオンが認められた.このことは2つの流域において,火山起源と人為起源のイオン供給があることを示している.人為的な負荷は阿武隈川流域では上流部と郡山市付近,最上川流域では米沢市付近にあると考えられる.また,火山由来と思われる硫酸イオンを多く含む支流の合流により本流のpHも変化し,阿武隈川で0.2,最上川で0.25低下していた.さらに,最上川流域では融雪期の3月から6月にかけて水質や流量に変化が見られるため,気候変動に伴う積雪状態により水環境が変化する兆候が示された.
本研究により二つの河川流域の異なりが明らかとなった.今後,これらの流域特徴を具体化,緻密化すること,水質形成要因を解明しそれらの系統化を図ることで,気候変動の反応特徴を解明し,流域管理に反映させることを進める.
その結果,阿武隈川流域と最上川流域で人間活動や火山活動による河川水質への影響の強さの異なりが明らかにされた.阿武隈川流域は,最上川流域と近しい水文学的特徴を有し,流域面積が約1,640 km2小さいものの,流域内人口が約40万人多い.そのため,阿武隈川流域では土地利用において建物用地や田,その他の農用地など,人間活動が活発な土地割合が34.3%と,最上川流域の割合(24.6%)より多い結果が示された.表層地質については,阿武隈川流域は花崗岩が流域の右岸に広く分布し,流域全体の31.4%を占めた.最上川流域は火成岩が29.2%であった.
水質データからは,阿武隈川のECは最上川より67.2µS/cm高く,本流へのイオンの供給が多いことが分かる.イオンクロマトグラフィーの結果では,両流域とも多くの地点で重炭酸カルシウム型の日本の典型的な河川水質を示したが,荒川や松川,蔵王川や酢川では硫酸イオンが卓越し,阿武隈川上流部,最上川上流部および一部の河川では硝酸イオンが認められた.このことは2つの流域において,火山起源と人為起源のイオン供給があることを示している.人為的な負荷は阿武隈川流域では上流部と郡山市付近,最上川流域では米沢市付近にあると考えられる.また,火山由来と思われる硫酸イオンを多く含む支流の合流により本流のpHも変化し,阿武隈川で0.2,最上川で0.25低下していた.さらに,最上川流域では融雪期の3月から6月にかけて水質や流量に変化が見られるため,気候変動に伴う積雪状態により水環境が変化する兆候が示された.
本研究により二つの河川流域の異なりが明らかとなった.今後,これらの流域特徴を具体化,緻密化すること,水質形成要因を解明しそれらの系統化を図ることで,気候変動の反応特徴を解明し,流域管理に反映させることを進める.