日本地球惑星科学連合2025年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 H (地球人間圏科学) » H-TT 計測技術・研究手法

[H-TT16] 環境トレーサビリティ手法の開発と適用

2025年5月28日(水) 10:45 〜 12:15 展示場特設会場 (2) (幕張メッセ国際展示場 7・8ホール)

コンビーナ:陀安 一郎(総合地球環境学研究所)、SHIN Ki-Cheol(総合地球環境学研究所)、竹内 望(千葉大学)、座長:陀安 一郎(総合地球環境学研究所)

11:30 〜 11:45

[HTT16-10] 大気と植物の炭素安定同位体で都市環境をモニタする

*半場 祐子1、内貴 智仁1、岡本 耀介1、久米 篤2、松浦 拓海1 (1.京都工芸繊維大学、2.九州大学)

キーワード:光合成、大気汚染、水利用効率

軽元素同位体である炭素の安定同位体は、炭素が大気中のCO2、および植物に含まれていることから、大気の情報や植物の情報をもつツールとして、大気科学や植物生理学などの様々な分野に活用されている。
我々は都市の植物である街路樹に注目し、「炭素安定同位体を使って、街路樹として最適な樹木を提案すること」を目的に、2005年から2024年まで、大気および葉の同位体比の変遷を追跡してきた。
これまでの解析で、次のことが明らかになった。
1)2005年から2024までに、京都市の大気環境は大きく変化している。大気汚染物質である二酸化窒素や粒子状物質は、著しく減少している。
2)このような大気汚染改善の結果、樹種によっては顕著な光合成能力の改善と水利用効率の減少が見られる。
ただし、これらの解析には、大気中CO2濃度の変化や、それが植物の光合成に及ぼす影響、さらには気候変動の影響が考慮されていない。
本発表では、これまで解析が不十分であった大気の炭素安定同位体に焦点をあて、京都市における2005-2024の大気CO2環境の変化が反映されているかどうかを確認する。さらに、葉の炭素安定同位体分別に、CO2環境の変化や、気候変動の変化がどのように反映されいるかを明らかにすることを目指す。