日本地球惑星科学連合2025年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 L (セクション企画) » セクション企画

[L-02] 大気水圏科学の最前線2「人為起源の現象・その影響」

2025年5月26日(月) 15:30 〜 17:00 展示場特設会場 (4) (幕張メッセ国際展示場 7・8ホール)

コンビーナ:大手 信人(京都大学大学院情報学研究科社会情報学専攻)、佐藤 薫(東京大学 大学院理学系研究科 地球惑星科学専攻)、野中 正見(国立研究開発法人海洋研究開発機構アプリケーションラボ)、座長:大手 信人(京都大学大学院情報学研究科社会情報学専攻)、佐藤 薫(東京大学 大学院理学系研究科 地球惑星科学専攻)、野中 正見(国立研究開発法人海洋研究開発機構アプリケーションラボ)


15:56 〜 16:21

[L02-02] 海洋プラスチックの輸送経路と行方

★招待講演

*磯辺 篤彦1 (1.九州大学応用力学研究所)

キーワード:ミッシング・プラスチック

海洋に放出されたプラスチック廃棄物(海洋プラスチック)の行方は依然として議論の的であり、世界の海洋における流出量と存在量の不均衡はミッシング・プラスチックのパラドクスと呼ばれる。本研究では、海表面を模した粒子追跡モデルと線形モデルの組み合わせに基づき、海洋プラスチック量の収支を推定した。1961年から2017年にかけての、河川と漁業の両方から排出された世界中のマクロプラスチックの時系列を統合すると、総量は2,530万トン(MMT)となった。現在海洋に浮遊しているマクロプラスチックとマイクロプラスチック、そして砂浜にあるマイクロプラスチックは、それぞれ現在までに全世界で排出された海洋プラスチックの3〜4%を占めている。全体では、海洋プラスチックの23.4%が海岸のマクロプラスチックであった。一方、海洋プラスチックの66.7%は海水より重いプラスチックや、上層海域や砂浜から除去されたマイクロプラスチックであり、世界的に採用されている現在の観測枠組みではモニタリングが困難である。しかし、海洋プラスチックに関する今回の研究では、1960年代から今日までに発生したプラスチック廃棄物(542.2 MMT)のうち、海洋プラスチック全体が占める割合は4.7%に過ぎないことが示唆された。