日本地球惑星科学連合2025年大会

講演情報

[E] ポスター発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-AG 応用地球科学

[M-AG32] Renewable Energy

2025年5月28日(水) 17:15 〜 19:15 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 7・8ホール)

コンビーナ:大竹 秀明(国立研究開発法人 産業技術総合研究所 再生可能エネルギー研究センター)、Pan Chen-Jeih(Department of Space Science and Engineering, National Central University)

17:15 〜 19:15

[MAG32-P03] むつ小川原試験サイトにおける沿岸域の風況および熱環境の陸海コントラスト

*小長谷 瑞木1,2大澤 輝夫2、糸島 裕樹2,3、荒木 龍蔵4、濱田 康平5、水戸 俊成1,2嶋田 進6 (1.レラテック株式会社、2.国立大学法人神戸大学、3.ENEOSリニューアブル・エナジー株式会社、4.日本気象株式会社、5.イー・アンド・イー ソリューションズ株式会社、6.国立研究開発法人産業技術総合研究所)

キーワード:洋上風力エネルギー、風況調査、ドップラーライダー、大気安定度、むつ小川原洋上風況観測試験サイト

アブストラクト:
 沿岸域の風況を把握するための周辺の熱環境を理解することは、洋上風力発電の開発の面で重要である。 本研究では、日本の青森県むつ小川原試験サイトにおいて、陸上と洋上の風況特性および大気安定度の違いを調査した。 1年間にわたり、陸上(St.L)および洋上(St.S, 1.5 km沖合)の2地点において、鉛直風ライダーを用いて約200 m高までの風況観測を実施した。
 その結果、風車ハブ高相当である 120 m高 における年平均風速は、St.L に比べて St.S で約 6.4% 高く、沖合に向かう風の増速が確認された。 沖合に向かう陸セクターの風のみでなく、海側から陸へ吹く海セクターの風においても、St.S の方が St.L より風速が強い傾向が確認された。 また、風速の鉛直プロファイルには顕著な違いが見られ、低高度(63 m)において陸セクターの風が 1.5 km の距離で 19% 増速していた。 その結果、鉛直シアは St.L(α = 0.32)よりも St.S(α = 0.19)で大きく、地形の影響が沿岸域における風の形成に及ぼす重要性を示唆している。
 大気安定度は日変動および季節変動の両方を示した。 St.Lでは日射の影響を強く受け、昼間に不安定、夜間に安定化する傾向が見られたが、St.Sでは日変動が明瞭ではなく、むしろ海面水温の季節変動の影響を強く受けていた。 本研究により、わずか 1.5 km の距離においても陸域と海域では風況および熱環境が大きく異なることが確認され、洋上風況の現場調査の重要性が改めて示された。

謝辞:
本研究は、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業 JPNP07015 の成果に基づいている。