日本地球惑星科学連合2025年大会

講演情報

[E] ポスター発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-AG 応用地球科学

[M-AG32] Renewable Energy

2025年5月28日(水) 17:15 〜 19:15 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 7・8ホール)

コンビーナ:大竹 秀明(国立研究開発法人 産業技術総合研究所 再生可能エネルギー研究センター)、Pan Chen-Jeih(Department of Space Science and Engineering, National Central University)

17:15 〜 19:15

[MAG32-P07] 台湾海峡における風力エネルギー変動の特徴

*武川 怜1島田 照久2 (1.弘前大学大学院地域共創科学研究科、2.弘前大学大学院理工学研究科)

台湾海峡は、世界最大級の洋上風力エネルギー資源を持つ海域である。台湾政府は積極的に洋上風力エネルギー開発を推進しており、アジアの洋上風力エネルギー開発をリードしている。洋上風力の発展に伴い、台湾海峡の風況の観測などは進んでいるはずである。台湾海峡では、冬季に強い北東風が吹き、海峡内で強風を形成する。しかし、台湾海峡で発生する強風について、気象学に関する学術研究として発表されている論文は少ないのが現状である。そのため、台湾海峡が持つ風力資源をより効果的に活用するためには、強風の分布と変動のさらなる理解が不可欠である。

本研究では、大気再解析データERA5を用いて、台湾海峡の風の分布と変動の特徴を明らかにすることを目的とする。特に、平均風速および時間変動の観点から冬季の経年変動の特徴を明らかにする。10月から4月までは北東風が吹き、台湾海峡内に風速極大が形成される。その風速の経年変動について、月別に平均風速、10パーセンタイル風速、90パーセンタイル風速の3つの指標を用いて解析した。その結果、平均風速はほぼ同じであるものの、風速の変動幅に違いがある年があることがわかった。この違いは、海峡方向に沿った風成分の標準偏差で約2 m s-1の差となった。さらに、海峡方向に沿った風成分の年毎の自己相関係数を調べたところ、強風の持続時間には年毎に差があることがわかり、寒気の吹き出しの頻度の違いを示唆する。一方、自己相関係数の変化には差がない事例もあり、変動の振幅の違いも関わることが示唆された。経年変動を記述するためには、平均風速だけではなく、寒気の吹き出しの頻度・程度の観点から変動を考慮する必要があることがわかった。