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[MGI28-09] 能登半島での陸上科学掘削計画(NEPTUNE)の提案
キーワード:2024年能登半島地震、流体、断層すべり、地殻変動、陸上科学掘削
能登半島での陸上科学掘削計画(Noto Peninsula Earthquake Drilling Project for Understanding Fluid Trigger Slip Events,略称NEPTUNE)は、2024年1月1日に発生した能登半島地震(Mw7.6)の発生メカニズムを明らかにすることを目的としている。この掘削プロジェクトの重要な焦点は、有効法線応力を減少させることによって断層すべりを促進することが知られている、高い間隙流体圧の役割である。マントル由来の流体に起因する流体の移動と水圧の上昇は、この地域における先行する群発地震の主要なトリガーとして同定された。流体中のガスの高い3He/4He比を特徴とする地球化学的な証拠は、この仮説を支持している。また、この地震では、細分化された断層ネットワークと流体によって引き起こされた地殻弱化が、どのように断層破壊の伝播に寄与したかが問題提起された。この掘削プロジェクトでは、提案者一同は能登半島北岸の沿岸部で、2024年の地震の断層面を対象に掘削することを提案する。流体の起源、断層面周辺の岩石の化学反応、断層帯の微細構造を分析するために、流体、ガス、岩石試料を回収することが掘削の目的である。地震後の変化を評価して将来の地震活動に備えるために、断層付近の流体とガスの動きを長期的にモニタリングすることを計画している。このプロジェクトでのより具体的な研究は以下の通りである:(1)直接サンプリング、数値モデリング、地震データ解析による流体移動と圧力変動の観測、(2)地震活動への寄与を理解するための母岩と断層帯流体の起源の調査、(3)断層摩擦と地震ダイナミクスへの影響を評価するための断層帯の鉱物学的・化学的変化の解析。このプロジェクトの成果は、地震発生メカニズム、特に群発地震から高速すべり地震への移行についての理解を深めることが期待される。NEPTUNEは、ICDP2020-2030サイエンスプランに掲載されているジオハザードのテーマに取り組むことで内陸地震発生場における地震ハザードの予測能力を向上させることを目指している。また、津波を引き起こした地震の原因となった断層面に陸上からアクセスして調査するための掘削(L2S:Land-to-Sea drilling)を行う。これはIODPに別途掘削計画が提出される予定である。